1月4日
新年初めて名古屋に行った。
愛知県美術館の「コートールド美術館展」を観た。
東京では観なかったのは、名古屋で観れると思ったからであった。
やっとマネの「フォリー・ベルジェールのバー」が観れた。
セザンヌの作品が 思ったよりも多かった。
セザンヌの「カード遊びをする人々」という作品が いろんな美術館で バリエーションがあるということを知った。
いろんな美術館で「サント・ヴィクトワール山」を描いた作品は観てきたが、そんなに多くの「カード遊びをする人々」の絵があるとは知らなかった。
カミーユ・ピサロの「ロードシップ・レーン駅、ダリッジ」(1871年)が印象派の画家が 蒸気機関車の絵を描いた最初の絵であることも知った。
ピサロの絵も 印象派の展覧会では 何度も観てきたが、蒸気機関車が走る絵を観るのは初めてだった。
ルノワールの「桟敷席」(1874年)は 美しい女性が 「人から見られている」ことを意識している絵で、隣にいる男性はオペラグラスを覗いていて、観客の立場だったのが印象的だった。「桟敷席」という絵は、他にもいろんな画家が描いていて、女性がきらびやかに着飾っている姿を描いているが、隣に男が オペラグラスを覗いているものは 初めて観たような気がした。
「フォリー・ベルジェールのバー」は、「美の巨人たち」で取り上げていて、その番組を思い出しながら観たが、これまでマネの絵を いろんな場所で観てきたが、一番良いなあ。と、思った。
この展覧会で驚いたのは、マネの「草上の昼食」の習作が展示されていたことであった。
パリまで観に行った絵に こういう習作があって、人物の背景の木々の様子を試行錯誤していたことがわかった。
また、画家本人が 途中で 描くのをやめてしまった絵も何枚か展示されていたのにも驚いた!
セザンヌがエミール・ベルナールに宛てた手紙の展示で、セザンヌの芸術論が展開されているというので、そういうものを収集したコートールド氏の凄さを感じた。
コートールド氏は、実業家として成功して 美術品を収集したが、自分の審美眼に合ったものだけを購入したという。
その当時には 見向きもされなかった 印象派とポスト印象派の絵を 購入して、自分の為だけではなくて、美術教育の為だという立派な信念があったことも知った。
ルノワールの「靴紐を結ぶ女」(1918年)は、これまで観てきたルノワールとは一味違う感じだった。ルノワールの晩年の作品で、裸婦の絵は よくあるものだが、こういう絵を収集するというのは良いね。と、思った。
アンリ・ルソーの「税関」(1890年)も珍しい絵だった。
スーラの絵は習作も含めて5枚も展示されていた。
なかなか見ごたえのある展覧会だった。
名古屋で この展覧会が観れて良かった。
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