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2018年10月16日21:40

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講演会の続き

ルネ・ラリック(1860−1945)


アール・ヌーヴォーの宝飾工芸家   1886−1910年頃

アール・デコのガラス工芸家       1910年頃ー1945年

ふたつの時代ふたつのジャンルで新様式を創り上げた天才工芸家


ラリックのなぞ  ジュエリーからガラスに転向したのはなぜ?

  ジュエリー時代から「ガラス」は制作の鍵をにぎっていた。

  七宝(エナメル彩) 低温でとけるガラスの粉に顔料をまぜ金属台に焼き付けるガラスをパーツと
  して使っていた。
  ラリックのデザインは写実的に自然を表現するものなので、色・形を自由に加工できるガラスは好都合。



ラリックと香水瓶

ガラス産業に参入する際、香水瓶の製作が足掛かりになった。
設備、原料、燃料、人員などジュエリーづくりより、遥かに大きな資金を必要とするガラスづくりは、ある程度の量をこなしコストを下げない限り経済的に成り立たない。
ガラス界ではバカラなどなど強豪大手が熾烈な競争を繰り広げるなか、ガラス市場への参入の足掛かりとして、当時急速に成長の兆しを見せていた香水市場に注目。
香水瓶製造という小規模ではあるが将来性の見込める市場に挑戦し、見事ガラス工芸転向の夢を果たした。
ラリックは、ジュエリーづくりで鍛えた得意の細密加工を活かして小さなガラス瓶に意匠を凝らし、目にみえない香りの魅力を視覚で伝える造形的な香水瓶を生み出し香りの歴史を塗り替えた。

ラリックが手掛けたガラス製品は、花瓶、立像、照明器具、テーブルウエア、カーマスコット、文具、室内装飾、建装品、野外噴水など多岐にわたる。

生涯に4300種類ほどのガラス製品をつくりだした。
香水瓶はそのうち約400種類に及ぶ。

それら多くのジャンルの中でも、香水瓶は小さな世界に芸術家としてのセンスと美学、洗練、機知とアイデア、製造技術のすべてが込められている。

香水瓶タイプ1.ラリックのブティックでガラス製品の一部として販売された香水瓶
  例 香水瓶「シダ」      80種類

香水瓶 タイプ2.香水メーカーの注文で、オリジナル香水のイメージにあわせてつくられた瓶

  例  香水瓶「アンブル・アンティーク」コティ社  319種類

様々なメーカーと取引した   ドルセー、ウォルト、コティ、ロジェ&ガレ 他


素材と技法

素材  透明ガラスが主体 (セミ・クリスタル)、色ガラスは単色使い

成形技法  型吹き成形   プレス成形(型押し成形)  型吹きプレス同時成形(1912年に特許を取得)

表面加工  サチネ・・・強い酸性の液体でガラスを洗い表面を曇らせる

パチネ・・・・表面着色


略歴   1860−1945年

1860年(0歳)   4月6日 シャンパーニュ地方 アイに生まれる
1876年(16歳)  父の他界により学業をあきらめ、宝飾工房に弟子入り
1878−80年(18−20歳)  ロンドン留学
1886年(26歳)  宝飾工房を譲り受け独立
1898年 (38歳) パリ郊外に城を購入  領地内にガラス工房を設ける
1900年(40歳)  パリ万国博覧会宝飾部門グランプリ受賞、国際的名声を得る

             ガラス工芸家への転向を模索
1908年(48歳)  フランソワ・コティのために「レフレール」のラベルを製作

1909年(49歳)パリ郊外コンブ・ラ・ヴィルの工場でガラスの量産を開始

妻アリス他界

1912年(52歳) この年より宝飾品の製作をやめ、ガラス製作一本に専念する

1914−1918年  第一次世界大戦

1921年(61歳) ヴィンゲン・シュル・モデール(アルザス地方)に第2工場

1925年(65歳)  アール・デコ博覧会で世界的な知名度を得る

1932−33年  東京の朝香宮邸にガラス扉を製作

1939−1945年 第二次世界大戦

1945年(85歳) 5月5日逝去


アール・デコとは

1910年代から30年代にかけフランスを中心に、工芸・建築・ファッション・絵画・彫刻など、芸術
から身近な生活にいたるあらゆる分野に多大な影響を与えた「装飾美術様式」。

アール・デコ Art Decoの呼び名は、1925年にパリで行われたデザイン博覧会「現代装飾美術産業国際博覧会」の略称「アール・デコ博覧会」に由来している。

世紀末のアール・ヌーヴォーにみられる植物文様や流れる曲線を主体にしたデザインとは対照的に、直線と立体、幾何学的な造形が基調となっている。

ガラスの世界にアール・デコ様式を作り上げた人物が、ルネ・ラリックである。

ラリック作品は女性像や花をモチーフにした優美なデザインが特徴。

透明ガラスを主体に鋳型成形によるヴォリューム感豊かな立体造形は、ガレを中心とするカラフルなアール・ヌーヴォーのガラスとは一線を画している。


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