高松港に近いホテルに宿泊し、2日目はいよいよ犬島に向かった。
チャーター船っていうのは、どんな船なのかとワクワクしていたら、「タコタコ海上タクシー」と書いてあり、漁船を改造したような船だった。
船に乗る前にトイレに行ったら、船に乗るのが遅くなり、席が無かった。
後ろの荷物置き場に座ることになった。
そういう人が10人くらい(私も含めて)いて、こんなチャーター船とはがっかりした。
船も古く、汚れた感じだったので、気分が落ち込んだ。
昨日の宇野港〜直島に向かう船の綺麗で アートな感じと比べて、全然テンションが上がらなかった。
犬島まで1時間くらいも船に乗った。
船酔いはしなかったものの、気分は最悪。
全然下調べをしなかったので、犬島にどういうものが見れるのか 知らなかった私。
犬島にはコンビニは無かった。スーパーも無かった。
犬島に着くと、弁当が用意されていた。(これも事前に弁当を注文しておいた)
弁当を食べる場所が ツアー全員が座れるほど広くなくて、ここでもラッキーなことに、最初に食べる回になった。
すぐに弁当を食べ始めて、「犬島精錬所美術館」に向かった。
犬島精錬所美術館
犬島精錬所美術館は、犬島に残る銅製錬所の遺構を保存・再生した美術館です。「在るものを活かし、無いものを創る」というコンセプトのもと作られた美術館は既存の煙突やカラミ煉瓦、太陽や地熱などの自然エネルギーを利用した環境に負荷を与えない三分一博志の建築と、日本の近代化に警鐘をならした三島由紀夫をモチーフにした柳幸典の作品、また植物の力を利用した高度な水質浄化システムを導入しています。「遺産、建築、アート、環境」による循環型社会を意識したプロジェクトといえます。
近代化産業遺産
1909年に地元資産によって建設された犬島製錬所は、煙害対策や原料輸送の利便性から、島に建設されたものの、銅価格の大暴落によってわずか10年で操業を終えました。現在の犬島には銅の製錬過程で発生する鉱滓からなるカラミ煉瓦造りの工場跡や煙突など、かつての大規模な製錬所を彷彿とさせる多くの遺構が良好な形で残されており、日本の産業発展の過程に置いて革新的な役割を果たした遺構として、平成19年度経済産業省による「近代化産業遺産群 33」のうちの「story30」に認定されました。
アーティスト 柳幸典
かつて日本の近代化に貢献し、隆盛を誇ったが、現在はその跡を残すのみとなった犬島製錬所に、日本の近代化に警鐘を鳴らした小説家・三島由紀夫というモチーフを重ね、建築と協働による6つのスペースを作品として展開し、今後の日本のあり方や現代社会について問いかけています。
建築家 三分一博志
犬島精錬所美術館の建築は、地形、近代化産業遺産、自然エネルギーを活用することで犬島という環境の絶え間ない自然のサイクルの一部、地球のディティールの一部として変化、成長していく施設であるといえます。
以上のようにHPにはいろいろ書いてあるのだが、どこまでが廃墟で どれが作ったものなのかの区別がつかない感じだった。
こんな場所で、三島由紀夫に関する展示があるとは思いも寄らなかった。
三島由紀夫が住んだという家屋をバラバラにして、この島に運んできて、それをオブジェにして展示しているものがあった。
まるで、シュルレアリスムの絵のように、家の扉が浮いていたりして、不思議な感覚を味わった。
また、三島由紀夫の書いた檄文を天井から吊り下げているものがあった。
それが、近代化を批判する文章なのかな。と、思った。
それから、観客を英霊に見立てて、三島の文章が 赤く流れてきて、鏡を上手く利用したものもあり、自分も三島由紀夫の世界の一員のような気がした。
上手く文章では表せないけれど、三島由紀夫の精神が こんな瀬戸内の島に息づいていることを感じた。
半分崩れかけた煙突が6本あり、それを眺めながら 歩いた。
もしかしたら、軍艦島というのはこれと共通するものなのかな。と、思った。
建物にも鏡を上手く使っているので、見学している人たちさえも オブジェの一部になっていた。
なかなか見応えのあるものだった。
また、天気が良かったので、島の景色も美しかった。
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