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2017年04月30日20:12

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映画「盲獣」(1969年)増村保造監督作品

この映画も名古屋のシネマスコーレで観た。

「江戸川乱歩の原作を映画化。欧米でも公開され全世界のファンから支持されているカルト的傑作。
女体のオブジェが並ぶ密室で、倒錯した世界に引き込まれていく男と女・・・ 出演者3人のみの鬼気迫る圧巻の演技も必見!」という文句のチラシに心惹かれてしまった私。

どんな映画だろう?と思って 映画を観たら、とんでもない世界に連れ込まれた感じがした。

全世界のファンって誰?


盲目の男が 「生身の女の彫刻を作りたい」と、緑魔子演じる女を 自分のアトリエに連れ込んだ。

女を触って 彫刻に打ち込む男。

男の母親も協力的だった。女が逃げそうになったのを何とか捕まえて 息子の為と思って行動していた母親。

男と女が 快楽に溺れて、だんだん欲望が強くなり、より強い刺激を求めて 獣になって もさぼっている姿が そこにあった。もうこの姿は 人間ではなかった。

理性が全くない世界。

薄暗いアトリエの中で、目がだんだん衰えていく。触覚だけの世界に溺れていく男女。

欲望の果ての世界は こんなに破壊的なものだったとは!

こんなことは現実にはありえないと思うけれど、凄まじい世界だった。

映画が終わって 外に出たら、何だか異空間から抜け出した感じがした。

まるで、舞台の「ネズミ狩り」以来の衝撃的な感情が芽生えた。

こんな映画があるんだなあ。と、思った。




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