「クラーナハ展」の後、せっかくなので常設展も見に行ったら、子供たちに世界遺産の建物を紹介するツアーをやっていて、床から 手すりまでの長さを計っている人々の群れに遭遇した。
国立西洋美術館が世界遺産になったとたんに、国立西洋美術館の常設展を見る団体旅行のツアーが急増している。
これまで 国立西洋美術館に私は 何度も出かけているが、その時には「国立西洋美術館を世界遺産にしよう」という幟が立ててあって、「そんな日が 来るのか?」と、思っていた。
何年越しの運動をしていたのかは知らないが、こうして国立西洋美術館が世界遺産になってみると、改めて 建物を意識して 常設展を観たら、いろんな美術館はあるが、この美術館は いかにも特徴があるなあ。と、思った。
国立西洋美術館の常設展も これまで何回も観てきた。
私の大好きだったクールベの「波」という作品は 今も展示されていて、何十年も その絵は 変わらないはずだが、私の取り巻く状況が変わった為なのか、見え方が違ってきた気がする。
何十年も前に 大学生の頃に 観ていた時は、「波」の絵に 慰められているような気がしていたが、今 改めて観ると、「人生の応援歌を 静かに 歌っている」ような絵に見えてきた。
新収蔵品の絵を 2枚観たが、この美術館の学芸員のセンスの良さが 分かる気がした。
何と言っても「国立」の西洋美術館なのだから、資金も豊富なんだろうなあ。
碧南市藤井達吉現代美術館の館長の話では、「年間の美術館の予算が 80万円で萬鉄五郎の200万円の油絵が買えなかった」という話を 再び思い出した。
そういう少ない予算なので、「皆様の寄贈」に頼りたいというわけである。
今回、国立西洋美術館に行ったら、「モーリス・ドニの素描展」をやっていて、何とそこに寄贈の絵が何枚かあり、日本人との交流があったということを初めて知った。
日本人の夫婦、子供の肖像画で、そんなプライベートな絵を 国立西洋美術館に寄贈するというのは、凄いなあ!と、思った。
国立西洋美術館に寄贈するとは、どんな絵でも良いわけではないから、それなりの意味や価値が無ければ 寄贈を受け入れるはずがない。
こういう絵が 存在することに驚いた。
「クラーナハ展」と常設展を観て、六本木に向かった。
この後も いろいろ観たいので、じっくりとは観てないが、昼食を食べる時間は 無いと判断した。
クールベ いいですね、少ないながらセガンティもですが味わいのある作品で、
オルセーの充実度にはびっくりしましたが。
寄贈ではなく寄託ですが西洋美術館にある数十億円のフェルメールに帰属作品も凄いですね。
自分も12月にまとめていろいろ鑑賞に東京へ行く予定です。
世界遺産になったとたんに、人が押し寄せてきたようです。