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2016年04月16日21:56

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大正の煌めきを求めて・・・・碧南市藤井達吉現代美術館

今日は、碧南市藤井達吉現代美術館に行った。

今回の展覧会は、いわゆる新収蔵品展で 無料であったが、なかなか見応えがあった。

午後2時から 記念講演会「コレクションが語るもの」と題して、この美術館館長の木本氏の講演会があったので、この日に出かけることにした。

この美術館の館長の話を これまで聴いたことがなかったので、この際だから聴いておこうと思った。

まず 始めに、館長の役割として、美術館のかじ取りをすること。

美術館は、どういう趣旨で コレクションをしているのかをちゃんと説明すべきである。

説明責任を果たしていない美術館が多い。

だから、そういう機会を この美術館ではつくっている。

収集方針

1.藤井達吉の芸術を顕彰するに重要と思われる作品

2.藤井達吉の精神を見出せる作家の作品

3.地域の歴史や文化を語る上で 重要と思われる作品

4.市民の美術文化の向上に資すると思われる作品

1.の観点から、藤井達吉が精力的に活動した大正時代の第1回ヒュウザン会展覧会出品作家たちの作品を 新たに収蔵した。

碧南市藤井達吉現代美術館では、平成28年4月1日現在 1455点(藤井達吉は670点)所蔵している。

木本氏が館長になって8年たつというが、初めの年は 美術品購入費はゼロだった。今では年間1000万円の予算である。

ヒュウザン会では、岸田劉生、萬鉄五郎の作品もあるけれど、彼らの油絵は 高くて買えないので、木版画を収蔵することにした。萬鉄五郎の油絵は、2500万円もするので、分割払いを申し出たが ダメだっていうので、諦めたそうである。

岸田劉生の水墨画「童女飾髪之図」は、麗子が二人いるような絵で、珍しい感じがした。

ヒュウザン会は33名参加して、毛利教武も その中にいて、「手」(1919年)という作品しかないと思われていたが、17点の作品を この美術館が引き取ることになったことを聞いた。

毛利教武は、藤井達吉と知り合いで、毛利教武の息子の毛利武彦(画家)、たけしろう(彫刻家)がいる。

毛利武彦が亡くなって遺品を整理していたら、教武の作品が出てきて、藤井達吉現代美術館に寄贈してくれることになった。
藤井達吉は 毛利の家にもよく行っていたようで、武彦は 藤井達吉のことをよく覚えていたという。

今回の展覧会では、13点の彫刻作品が展示され、「手」も素晴らしかったけれど、「観音菩薩坐像」と「白拍子」が 良かった!

貴重な作品を寄贈されて 本当に良かった。嬉しい。

この美術館では、「ヒュウザン会に出品した作家の作品を集める」という他の美術館ではやらないことをしているので、そういう特徴のある美術館というのは 良いと思った。

ヒュウザン会に参加した33名のうち、後に 評価されている作家は三分の一で、所在が分からないものが三分の一と聞いた。
 
木村荘八、小林徳三郎、川上邦世、小杉放菴などが展示されていた。


鶴田吾郎「藤井達吉氏像」は、藤井達吉が40歳くらいの若い姿で描いていて、立派な肖像画だった。これは油絵だった。

ヒュウザン会の作家だけでなく、近現代の作家の伊藤簾、三岸節子、内田土卵、香月泰男などの収蔵品も展示されていた。

この美術館では 彫刻が専門の学芸員もいるので、彫刻の展覧会は なかなか見応えのあるものになる。

館長の話を聞いて、この美術館のコレクションは こういうものだということがはっきり分かった。

藤井達吉は、岡崎市に住んだこともあり、私は 子供の頃、「藤井達吉展」を観に行った記憶もあるので、この美術館を応援したくなった。

この美術館では、8月20日〜10月2日に 「河鍋暁斎展」を開催するというので、またその時に観に行くつもりである。






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