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2016年02月21日17:43

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時代を彩った美女たち・・・・続き

2)主題の変遷

1.芸妓・・・才色兼備の代名詞 政財界の大物の相手をする存在 流行の牽引役でもあった。例えば、まり千代など

2.令嬢・・・・花柳界蔑視の風潮を受け、才色兼備の代名詞として深窓の令嬢や令夫人が表舞台に取り上げられ、流行の牽引役になる。  例えば 九条式子、田中千代、柳原白蓮

3.女給・・・明治末から都市部を中心にカフェが出現し、和服にエプロン姿の女給が、女性の新たな職業として登場する

4.母親・・・子供と一緒に描かれる。初期は奥様風であったが、後には子供の世話をする母性を感じさせるような存在として描かれる。例えば、シッカロール、石鹸、メンソレータム

5.映画女優・・・・美貌と芸の技量を買われて、初期には花柳界から転身した人が多かった。
   例えば、松井千恵子、田中絹代、川上貞奴、松井須磨子

6.主婦・・・明るく健康的に家事にいそしむ姿で描かれる。 既婚者であり、実際には子供がいたと思われるが、画面上には描かれない。

7.軍事色を帯びた女性・・・質素で実用的な戦時下のあるべき女性像。銃後を護り、労働力になる。

ポスターの主題とは時代の主人公であり、その変遷から時代状況が見える。

3)服飾や髪型の流行の変遷

全般的傾向・・・日本髪・着物、 洋髪・着物、洋髪・洋装

ただし、業界体質や社風によっても異なり、洋酒は洋装が早く、露出度の高いものも見られるが、日本酒は着物が基本


4)美人画ポスターに織り込まれた世相

皇室行事・・・崩御・御大典    例えば 1928年、1916年の鳳凰の柄の着物

世界的現象・・・第一次世界大戦、オリンピック 1918年 鳩の柄  平和

趣味の西洋化・・・・西洋楽器(ピアノ、ヴァイオリン)、バレエ

酒との関わり・・・「お酌する存在」から「自ら好んで飲む存在」(モダンガール)

レジャーとしての屋外スポーツ・・・・乗馬、スキー、水泳、ゴルフ

3。絵葉書との関係

1900年 私製葉書の製造販売が解禁となる

  以前から外国人向けの土産物として、モノクロ写真に手彩色されてもので、日本風俗をモチーフにしたものが販売されていたが、この種の物が大量生産されるようになる。

凝った私製葉書の作成や交換を行う好事家集団が出現する

博覧会や共進会、展覧会に際して、絵葉書が土産物や記念品として制作

風景印や記念スタンプ   新しい趣味や流行に

1904年 日露戦争  慰問品として美人葉書が大流行  モデルは芸者

絵葉書雑誌のブーム  1904年〜1910年 月刊誌「ハガキ文学」発行

1911年 三越呉服店が「第1回広告画図案懸賞募集」を実施

1920年代半ば以降 絵葉書のDМ活用が本格化

4.ポスター画家の活躍   雑誌表紙との関係

美人画を得意とする画家、童画家出身が多い・・・・ポスター主題としての共通性

製版印刷技術に関する知識がある・・・入港〆切、技術的な限界に関する理解

一時期しか関わらない場合は、ポスターや雑誌表紙の仕事を受ける時期が重なる

どちらかの分野における成功や人気が、他の仕事に発展することが多い

多田北鳥「少女倶楽部」など

+の循環
マルチな活躍、露出増加、知名度の上昇、市井の人気、経済的成功、業界内での地位の上昇




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