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2016年01月31日22:45

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ピカソ、天才の秘密・・・続き(完成版)

青の時代・・・1901−1904

色彩・・・深い青色を画面全体に描く

主題・・・貧しい人、身体の不自由な人など

線描・・・硬質で彫刻的 人体を引き延ばしたような絵

親友のカザジェマスの自殺から、罪悪感。

1901年「鼻眼鏡をかけたサバルテスの肖像」
この絵をX線調査したところ、刑務所の女囚が絵の下に描いてあった。
女囚の被っている帽子が サバルテスの頭から 少し見えているのは、そのせいである。
その頃のピカソは絵が売れず、キャンバスを買うお金も無かったので、自分の描いた絵を 塗りつぶして新しい絵を描いていた。
サバルテスは、ピカソの親友で、ピカソの秘書もやっていた人である。
この絵から青の時代が 始まった。
刑務所というのは、サン・ラダール刑務所で、ここではモデル代がいらないので よく通っていた。
それで、女囚の絵があるわけで、そういう理由だとは知らなかった。
モデル代というのは、売れない画家にとっては 大変だから、実に納得がいった。
それもあって、絵のモデルが 友人だったり家族だったりするんだね。

青の時代で印象的な作品は、「スープ」(1902)であった。

母親と思われる女性が 子供にスープを差し出している絵である。貧しい生活の中で、あったかいスープを子どもに与える女性の穏やかな微笑みをたたえている。
女性の顔が まるで仏像のような慈愛に満ちた顔をしていて、まるで仏教的な感じがした。
スープに駆け寄る子供の無邪気な顔も見えて、貧しい中にも心温まるような感じがした。

「貧しき食事」(1904)は、エッチングで、男のやせ細った指が異様な感じだった。
強烈な絵だと思った。

「海辺の人物」(1903)は、バルセロナの浜辺で歩いている家族を描いていて、父親が盲目で子供に手を曳かれて歩いている。母親は乳飲み子を抱えていて、全員裸足。子供はお腹を空かして、物欲しそうな目をしている。
この絵では、悲惨な生活の中でも生きる意志を示し、失わない人間の尊厳を描いている。


学芸員によると、青の時代の絵は、世界中に散らばっていて、それらを集めて展覧会することはとても困難だっだと聞いた。
そういうわけで、青の時代の絵は9点だった。

少年時代の絵は、29点も展示されていた。

バラ色の時代 1905−1906
色彩・・・ピンク色など明るさを取り戻す
主題・・・サーカスの芸人、恋人、友人など
線描・・・繊細で優美

このころのピカソは、絵が2000フランでまとまって売れて、1年間 仕事をしなくても暮らしていけるだけのお金を手に入れた。
それで、恋人のフェルナンドを連れて、スペイン旅行に出かけた。
ゴザルへの旅行で、「「パンを頭にのせた女」(1906)を描いた。
恋人のフェルナンドをモデルにしている。この絵が 後の キュビスムにつながった。

「扇子を持つ女」(1905)は、ワシントン・ナショナル・ギャラリーの所蔵している絵であるが、この展覧会のポスターにもなっている絵である。
この絵の女性は、青い服を着ているが、青の時代の絵とは色が違う。クリアな色である。
この展覧会のチラシを 見ながら、この日記を書いているが、現物の色とは 全然違う。
実際は もっと綺麗な青だった。
多分、図録でも 色が違うのではないかと思う。
油絵は、絵の上からニスを塗るそうで、年月が経つと 黄色く変色するらしい。
それを 今回の展覧会の前に 洗浄したので、修復後、最初の絵ということになる。
ぜひとも、これからこの展覧会をご覧になる方は、女性の服の色に 注目されたらと思う。

キュビスムの時代の絵は、20点くらい展示されていたが、お馴染みな感じ。

そんな中で、メナード美術館所蔵の「オルガ・ピカソの像」は、キュビスムではなくて、本当に美しく古典主義で描かれている。オルガの絵も 勿論 私は メナード美術館で何回も観ているのでお馴染みの絵だが、初めてご覧になる人は 驚かれると思う。
オルガは ピカソのキュビスムの絵が嫌いで、美しく描いてもらいたかった。
それで、それに応えてピカソが描いたものであるが、本当に美しい絵なので、こんな絵をずっと描いていたっていいんじゃないか。と、思った。

ピカソ展は、これまでいろいろ観てきたが、これまでの展覧会とは一味違った展覧会になっていると思った。





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