1月23日
岡崎駅を午前6時22分に出発する電車に乗り込み、7時15分の豊橋発 こだまに乗った。
午前8時45分 定刻通りに小田原に到着。すぐに箱根登山電車に乗り換え、箱根湯本へ。
そこからバスで小涌園。
岡田美術館には、午前10時くらいに着いた。
この時間は、さすがにすいている。以前、歌川歌麿の「深川の雪」を観に行った時のようなことはなかった。
あの時は、9時くらいに着いて、館内に入るのに随分並び、お目当ての「深川の雪」の絵の前でも15分くらいは並んだ。
結局、あの時は「深川の雪」を実際に観れたのは、午前10時くらいだったかな。
それが、ほとんど人がいない状態で、拍子抜けした。
1階の中国陶磁、2階 日本陶磁をさっと見て、まずは酒井抱一の「月に秋草図屏風」と鈴木其一の「月次扇面図屏風」を観た。
こんな立派な屏風を ほぼ独り占め状態で観れるとは思いも寄らなかった!
酒井抱一の「月に秋草図屏風」は、山種美術館にも存在するが、山種の方は もっと華やかな感じで、それも美しくて良いが、こちらのものは 上品にまとめている感じがした。
屏風といっても、もともとは襖だった名残があり、こんな襖を使っていた家は どんなだったのかと思った。
鈴木其一の屏風は、扇に 花などの植物が それぞれ12枚描いて、美しく、上品で良かった。
3回は、絵画・漆芸で、円山応挙の犬の絵が 今回も展示してあって嬉しかった。
私は、円山応挙が描く子犬の絵が好き。愛らしい子犬を 何気なく描いている感じがたまらない。
また、今回も 加山又造の「猫」の絵は、芍薬なのか牡丹なのか分からないが、その花を猫が見ているような様子が良いなあ。と、思う。
それに加えて、今回は 猫の絵の隣に、琳派的な絵も展示してあった。
いよいよ4階の展示が、琳派展だ。
中村芳中の作品は、何だかほっこりした感じの絵だった。
やはり、酒井抱一「桜図」は、華やかだ!
「檜に啄木鳥・紅梅に鷺図」も見事だ。
どうも私は 酒井抱一の作品が好きで、金谷美術館、奈良の美術館にも出掛けた。
「酒井抱一のおっかけ」と言っても良いかもしれない。
金谷美術館に行ったのは、震災よりも前の2月の雪のちらつく日であった。
そんなことを思い出しながら、やはり、ここまで出かけた甲斐があったなあ。と、思った。
鈴木守一の「富士図屏風」は、私の心に 響いてきた。
これまで、富士山の絵は いろんな画家のものを観てきたが、ここまで私の心にグッときた絵はこれまで無かった。
伸びやかな群青の線が印象的で、富士山が 親しみやすく感じられた。
これまでの富士山は、神の山という威厳に満ちた絵は、さんざん観てきた気がした。
片岡球子の富士山の絵は、個性的で 好きだが、私の心に グッとくるものでは無かった。
鈴木其一と守一の合作の「月に七草図」は、微笑ましい感じがした。
「こういうのは良いなあ!」と、思った。
尾形乾山の焼き物の展示は多かったが、陶器の方は 私は あまり関心がないので、さっと見た。
それでも、尾形乾山の「色絵竜田川文透彫反鉢」は、凄い名品だと思った。
「近現代の琳派憧憬」という展示では、菱田春草「紅葉に小禽」などが展示されていた。
中でも、神坂雪佳の「燕子花図屏風」は、初めて見て、神坂雪佳の「春秋草図」のような絵は、これまでよく見てきたが、琳派らしい絵で 美しかった。
速水御舟の「紅葉」の絵は、はっとするような絵で、印象に残った。
見事な絵で、紅葉の絵も いろんな画家で 観てきているが、凄い絵だなあ!と、思った。
言葉では上手く表現できないが、まるで女性を描いているかのような色気や、凛とした感じ、また、儚さも感じた。
木村武山の「葦に鳥図屏風」は、金屏風で 琳派の雰囲気もあり、凄い傑作だと思った。
わざわざ箱根まで行った甲斐があった。
琳派は良いなあ。と、改めて感じた。
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