庭園美術館の後、渋谷に行った。
「ボッティチェリとルネサンス」展を観る為であった。
この美術館は、構造が悪い。チケットをちぎった後に ロッカールームがある。
私は、大きな荷物を持っているので、まずロッカールームで荷物を置いて、それからトイレに行くので、どうしても 再入場をお願いしなければならない。
展覧会を観た後に、またロッカールームに戻るにも いちいち入口の女性に言わなければならない。
どうしてこういう構造にしたのか?
田舎者が大きな荷物を持ったまま、美術館に行くという設定が考えられなかったのか。
いつも この美術館に行く度に、嫌になる。
それはさておき、まず、入口の展示で、「何の展覧会だったか。」と、思った。
フィリオリーノ金貨などのお金や、フィレンツェの公益質屋の金庫などの展示があったからである。
フィレンツェの繁栄の様子をまず 見せておく。と、いうことだったのだろうが、その分、絵の展示は 少な目な感じがした。
王道の 「これぞルネサンス」という感じの 展覧会では無いと思った。
この展覧会を すごく楽しみにしていたので、「これか?」という気もした。
ボッティチェリの作品は、工房のものも含めて16枚くらいあった。
ボッティチェリの初期の作品の「ケルビムを伴う聖母子」が、多分 出世作になるのだろう。
フィレンツェのウフィツィ美術館からの出品で、師のフィリッポ・リッピの影響を受けた作品であった。
ラファエル前派展で見かけたバーン・ジョーンズが所有していたというボッティチェリの「受胎告知」という作品は、左横に小さく 大天使ラファエルがトビアスの手を曳いている姿が描かれていて、普通の「受胎告知」の絵とは 違っていて 面白いな。と、思った。
フィレンツェで 銀行家として活躍したメディチ家などが注文した作品の数々も展示されて、自分がお祈りをする為の宗教画は、質の高いものであった。
ボッティチェリは、メディチ家の注文で 絵を描いていた頃は、優美な絵だったが、晩年の絵は
地味であった。
サヴォナローラの影響らしかった。
サヴォナローラは、豪華な絵は 焼いてしまったらしい。
今となっては、残念なことである。
フィレンツェの優雅で 豪華な絵が もっと残っていたら、もっと見応えがあっただろうに。
展覧会の最後の方の展示を観て、何だか寂しい気がした。
結局、80作品の展示で、絵ばかりではなかったから、私が 思ったほど観る時間はかからなかった。
1時間半くらいで見終わった。
ログインしてコメントを確認・投稿する