今日は、やっとロイヤル・アカデミー展を観に行った。
11時から展示説明会があるので、まず、10時の開館と同時に入って、50作品くらい観たところで、また入口に戻った。
やはり、学芸員の話は聞くと勉強になる。
ロイヤル・アカデミーは初代会長のレノルズとジョージ3世が調印して始まった。
レノルズは、肖像画家であったが、イタリアに留学して、ラファエロやミケランジェロを手本にすべきだ。という考え方だった。
「セオリー」という絵は、美しかった。理想の芸術を 自ら示しているようだった。
画家には 教育して、一定のレベルを保つこと。無料で教育を受けさせる。
アカデミー会員になる時に、自分の自信作を提出させる。
年に1回 展覧会を開く。アカデミー会員は無審査で出品することができたが、それ以外の作家は出品審査会で 可否を判断されなければならなかった。
チャールズ・ウェスト・コウプの「1875年度のロイヤル・アカデミー展出品審査会」の絵は、審査員たちが熱心に議論を行い、真剣に作品の良しあしを判断する様子を描いている。
コウプは 自分の姿は 審査の様子をスケッチする姿にして描いている。
ターナーの「ドルバダーン城」は、アカデミー会員になる時に 寄贈した絵であると聞いた。
ターナーは27歳という若さでアカデミー会員になった。
若いうちから才能がある人は 認められる。
しかし、ターナーと並び称されるカンスタブルは、アカデミー会員に52歳でなったと聞いた。
ターナーは想像の風景画を描いているが、カンスタブルは 実際に戸外に出て スケッチして風景画を描いている。
ゲインズバラも肖像画家であったが、本当は風景が描きたかった。
自分が描きたい絵を描くというのが、ロイヤル・アカデミーである。
レイバーンの「少年とうさぎ」は、可愛らしかった。
レッドグレイヴの「勘当」という絵は、当時の風俗を良く表していて、未婚の母になって、赤ちゃんを産んだ娘を追い出す父親。外は雪。その父親を 止めようとする女性の姿や、テーブルに突っ伏している男など、周りの人たちが ドラマチックに描かれている。
ルイスの「カイロのカフェの入り口」・・・エジプトに10年住んでいた作者が描いた。オリエント。
ポインター「占い師」・・・唯美主義
ジョン・エヴァレット・ミレイ「ベラスケスの思い出」・・・自分の娘をモデルにして、ベラスケスが描いたマルガリータ王女を彷彿させる絵。ラファエル前派の絵とは 変わっている。
また、ミレイの12歳のデッサンの「パンクラティオン」も展示されていたが、12歳でこういう絵が描けるとは 凄すぎる!11歳でアカデミーの学校に入学したというのも驚いた。
ジョン・エヴァレット・ミレイ展は、渋谷のBunkamuraで何年か前に観たが、素晴らしかったことを思い出す。
ウォーターハウス「人魚」・・・夏目漱石の「三四郎」で、三四郎と美禰子が 画集を覗きこんでいる時に話題にした絵。誘惑する目や 艶めかしい仕草に ドキドキする。これが夏目漱石が観た絵なのかと思うと不思議な気がする。こんなに色気たっぷりの絵を 観たことがない。
この絵を観るだけでも、この展覧会へ出かけて良かった。
アカデミーの学校の生徒に教育するために、いろんなスケッチとかお手本に見せていて、その展示も 参考になった。
楽しみにしていた展覧会だったので、期待通りで良かった。
ログインしてコメントを確認・投稿する