ポルシェ924には、FRポルシェで唯一「カレラ」の名称を持ったモデルが存在します。
それがグループ4ホモロゲーションモデル「924カレラGT」です。
(type937/右ハンドル車はtype938)
924カレラGTは1979年のジュネーブショーにプロトタイプが出品され、1980年のルマン24時間にレース仕様車が参戦したのち、1981年に量産型が登場しました。
エクステリアはフロントのブリスターフェンダー、リヤのオーバーフェンダー、フード上の大きなエアスクープ、リヤスポイラーが特徴です。
エンジンは924ターボをベースとしたM31/50型で、カールシュミット製の鍛造ピストンを採用、圧縮比は8.5に高められています。
ターボ系にはインタークーラが追加され、最高出力210ps/6000rpm、最大トルク28kgm/3500rpmを発生しました。
924カレラGTはホモロゲーションのため約400台が限定生産されました。
日本にもミツワ自動車によりシャシーナンバー92ZBN700060の1台が輸入されました。
☆ポルシェ924カレラGT
(81年)
車両諸元
全長:4320mm
全幅:1735mm
全高:1280mm
ホイールベース:2400mm
トレッド(F/R):1475/1475mm
車両重量:1180kg
エンジン型式:M31/50
エンジン形式:水冷直列4気筒SOHC+ターボチャージャー+インタークーラ
ボア×ストローク:86.5×84.4mm
総排気量:1984cc
燃料供給装置:ボッシュKジェトロニック
圧縮比:8.5
最高出力:210ps/6000rpm
最大トルク:28.0kgm/3500rpm
トランスミッション:アウディ製5速MT
ステアリング形式:ラックアンドピニオン/パワーステアリング
サスペンション:
Fマクファーソンストラット/コイル
Rセミトレーリングアーム/トーションバー
ホイール:前後7J×16
タイヤ:前後215/55VR16
ブレーキ仕様:前後ベンチレーテッドディスク
このスタイリングが後の944の基本デザインとなっています。
また、同じ81年にはエボリューションモデルの924カレラGTSも販売されました。
ポルシェ924カレラGTS
(type937)
エクステリアはヘッドランプが固定式に変更され、ボンネットピンやリヤフェンダーのストーンガードが追加されています。(非装着の車もあり)
エンジンはM31/60型で、圧縮比は8.0、最高出力245ps/6250rpm、最大トルク34kgm/3000rpmを発生しました。
パワーアップに伴いリヤタイヤがワイド化され、ブレーキには930ターボ用が採用されています。
☆ポルシェ924カレラGTS
(81年)
車両諸元
全長:4320mm
全幅:1735mm
全高:1280mm
ホイールベース:2400mm
トレッド(F/R):1475/1475mm
車両重量:1120kg
エンジン型式:M31/60
エンジン形式:水冷直列4気筒SOHC+ターボチャージャー+インタークーラ
ボア×ストローク:86.5×84.4mm
総排気量:1984cc
燃料供給装置:ボッシュKジェトロニック
圧縮比:8.0
最高出力:245ps/6250rpm
最大トルク:34.0kgm/3000rpm
トランスミッション:アウディ製5速MT
ステアリング形式:ラックアンドピニオン/パワーステアリング
サスペンション:
Fマクファーソンストラット/コイル
Rセミトレーリングアーム/トーションバー
ホイール:前7J×16/後8J×16
タイヤ:前205/55VR16/後225/50VR16
ブレーキ仕様:前後ベンチレーテッドディスク(911ターボ用)
このGTSには、より走りを追求したクラブスポーツも設定されています。
パッと見はGTSとあまり変わらないように見えますが、ドアガラスがスライド式に変更されたレーシーな仕上がりです。
エンジンは更にチューンされ280psに向上、これに合わせてリヤトレッドが1481mmに拡大されています。
924カレラGTSの当時の販売価格は2500万円で、生産台数はクラブスポーツを含めて50台となっています。
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