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2019年12月15日17:45

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映画「ゴティックメード 花の詩女」

帰宅したので早速レヴューに起こす。ユーゴ・マウザー教授の中の人は三木眞一郎だった。
初見殺しの作品は幾つも存在するが、この作品も其の系列にある。ひとつの作品として
完成してはいるが、酷く淡白な出来上がりだ。これは勿論、膨大に或る設定を頭に
入れていないと本来の情報量に至らないからである。つまりは信者向けに作った映画と
いうことだ。とても一般人にはお薦めできない。或る意味クリエイターとしては不誠実な
態度であり、商業的には失敗と云える。

とはいえ、作画は見事だった。永野タッチを正確にトレースし、コミックスがそのまま
立体になったような違和感のなさ。ここは大事なクオリティで、無意識にコミックスの情報を
引き出す効果があり無駄に脳内を検索する必要がない。表情の付け方は水準以上で
目の演技は特筆ものである。ベリンのジト目には唸った。

接近して判明したがベリンの舟は木製。細かい設定も疎かにしていない。メカニックについては
永野護は描写したくて仕方なかったのではないかと想像するのだが、シーンは限定的。
目玉の筈のGTM戦闘が短すぎる。リアルに徹した為に、超高速で機動するGTMが冗長に
動くことを許さなかったからだ。簡単に決着する。ただ、カイゼリン起動時にはたっぷりと
尺が取ってある。装甲が次々と色を変化させてゆくのが良い演出。よく分からないが
シークエンス進行中の雰囲気が出ている。
お馴染みのボルドックスやメロウラも出番はほんの少し。戦闘に参加しない破裂の人形も
何の為に出てきたのか意味不明ではあるが、この裏にはもの凄い量の情報が隠れている。

最終盤にシステムカリギュラからマウザー教授とツバンツィヒが登場しているが、これは
唐突過ぎる。信者であれば惑星連合を裏から操ってトリハロンとベリンに干渉してきたのが
システムカリギュラだと気づくが、ブランクがあると難しいかも。信者にとってもややハードルが
高いのがこの作品。
ボルテッツのル・ゾラとフ・リエは2012年当時からの設定。15巻ではボスヤフォートの隣に
控えている。これが想像力をかき立てる。本来はバッハトマと敵対する詩女側にいる筈。
2500年の間に何があったのだろう。
初代の詩女については予め了解していたが、この作品に登場してくるとは思わなかったので
当該シーンでは驚愕した。続いてヤーン・ダッカス王女も確認し、狂喜した。信者的には
抜群のサーヴィスシーンだ。

マスコットキャラとして配置してあるラブについては反感もあった。動物特有の黒目ではなく
人間と同じ瞳が描かれていたので、不必要な媚びと映ったのだ。が、正体がセントリーの
幼生体と判明し(エンドロールで知らせる不親切ぶり)成程と思った。すえぞうの前世の
姿なら人間臭くて当たり前。因みにトリハロンが剛速球でラブをボットバルトに投げつける
描写がある。リアル志向ならこんなことをするとラブが解体されてしまう筈なのに(これも
ギャグに逃げた媚びに見えた原因)、無事にキャッチされたのは奴がセントリーだからだった。

ラストシーンの4人、直前にF.S.Sの15巻を読み込んでいたので即座に見破った。
フィルモア・シルチスの正装をしたクリスティンなど信者が観れば一目だし、町とエストも
見間違う筈がない。ジークだけは黒髪が頼りだったが、血統による重要度を考慮すると
彼にもフレームに収まる資格があるのだった。15巻読了のタイミングで鑑賞したので、考察は
容易だった。

キャスティングは年配向けと思われる。ナレーションは一線を退いている榊原良子、
ツバンツィヒは三石琴乃。ベリン側近のアデムに折笠愛、バルバロッサは大塚明夫の
布陣。そしてベリンは川村万梨阿である。見破れなかった(エルガイムで贔屓の
キャラはガウ・ハ・レッシィだったのに)。彼女については、若い頃のキンキンした声質とは
明らかに違うので、変化したのだろうと推測している。

さて、札幌市内の信者が大集合するかと予想したのに実は空席が目立った。ネットの
予約段階では100以上の席が埋まっていた筈だ。ざっと見たところ其の半分ぐらい。
集めた資金は30万円ぐらいか。会場を押さえてフィルムの借り入れすると赤字になるのではと
心配。
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