郷古さんは、これまで4枚のアルバムをリリースしているのだが、バッハの無伴奏にバルトーク のソナタを組み合わせて3枚にしているアルバムが何を置いてもこの人らしい。
Spotifyにすべて上がっているので聴くことができるのだけれど、エコーを深くとった録音が、まるで無人の教会の中で一人、ステンドグラスから差し込む光の下、音楽に没入しているかのようである(録音データがわからないのだが、いったいどこで録音したんだろう?)。
郷古さんのバッハ、ということで厳しい音楽を想像していたのだが、意外なほど甘い音色で朗々とうたわれる歌謡性が魅力。それはバルトーク でも一緒で、とても聴きやすく親しみやすい。もっと、よらば切るというような、クレーメルを思わせる冷徹で尖った演奏を想像していたぐすたふくんは、へええ、っと思った次第。どちらかというと、シゲティよりも、グリュミオーの弾く無伴奏を彷彿とさせる。
でも、これだったら何回でも聴こう、と思えるのも確か。バルトーク無伴奏の最終楽章なんて、プログレッシブロックみたいですもん。そういうプロデュースなのかもしれないなあ。
ログインしてコメントを確認・投稿する