mixiユーザー(id:28135846)

2020年07月05日10:53

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期待通りのベルクと、掘り出し物の現代曲と・・・いずみシンフォニエッタ定期

さすがの郷古さんに、まさかの尺八の魅力。

大阪 住友生命いずみホール
<新・音楽の未来への旅>シリーズ
いずみシンフォニエッタ大阪 第44回定期演奏会「天使と神々の幻想」
−20周年記念公演―
飯森範親指揮 いずみシンフォニエッタ大阪
藤原 道山(尺八)
郷古 廉(ヴァイオリン)
川島 素晴:尺八協奏曲(2014)「春の藤〜夏の原〜秋の道〜冬の山」
ベルク:ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」(1935/F.Karaew編曲2009)
西村 朗:12奏者と弦楽のための〈ヴィカラーラ〉(委嘱新作/2020)

西村さんには悪いが、後半の新作は予想の範囲内。確かに、昨今のコロナ状況を1年前に察知していたかの如くの、薬師如来とそれを守る十二神将をモチーフにした音詩で、熟達の筆致ではあるものの、いつもの西村作品、という印象でそれほどの感興を掻き立てられるものではなかったです。

それよりもなによりも、一曲目の絢爛たるサウンドを背景に、4種の尺八という筆で画かれた音楽的「書」のなんとも魅力的なこと。そして、求道ヴァイオリニスト郷古廉による、白く光るベルクの感動的なこと。

尺八協奏曲は、その発想からして揮っていて、春化春秋に独奏者の「藤原道三」(この奏者がまた若い!!)をそれぞれ組み合わせた表題をもつ。そして、それぞれの楽章に用いられる尺八が、一尺三寸→二尺三寸→一尺八寸→一尺六寸と変わっていき、当然のことながらバックのオケの音色も季節を反映して変わっていく。シアターピースさながらの演出(指揮者がカエルの真似をするだとか、独奏者が歩き回る、バルコニーに出現するなどなど)も楽しくて、ライブの魅力満載。なによりもかによりも、一楽章冒頭の響きが素晴らしく美しくて、それで完全に「掴まれて」しまいました。

飯森さんが「普通は、シンフォニエッタ、アンコールはしないんですが」と断って、一楽章冒頭のひとくさりをもう一度やったほど。この曲、これが三回目の演奏となるらしいが、CDではその魅力の半分も伝わらないような気がする。熱烈再演希望、であります(こんど、NHK−FMの「現代の音楽」で放送されるようですが)。

そして、ベルク。正直言えば、ぐすたふくん、このために来たようなものです。郷古さんのヴァイオリンは期待を裏切らない、峻厳極まりない表情を見せてくれる。その一方で、鳥の羽のような柔らかな音色が、そっとささくれ立ったこちらの心を撫でる。ベルクの器楽曲はどれも「声のないオペラ」だと思うのだけれど、30分弱の生と死のドラマ、堪能いたしました。ただ、編成を絞った編曲版であるにもかかわらずバックのオケが鳴りすぎる場面が少々。逆に、むしろ編成が小ぶりになってるので遠慮なく鳴らした結果なのかなあ。

やはり、郷古さんの弾く近現代曲は絶品。ベルクも、また別の機会で聴きたいものです。

会場は、一つおきに設定された客席はほぼ満席(そうすると、400人は入っていたということか?)。これだけ入ると、コンサート感が横溢しますね。再開後では、一番コンサートらしいコンサートだった、と思います。



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コメント

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年07月05日 11:55
    おはようございます

    記事、お待ちしていました。

    リハ風景でも郷古さん、没入されてました。

    それは下手袖からの映像だったのですが、公式さんが、正面からのステージ写真を上げておられて、いまさらながら奏者間隔があるじゃないですか。

    聴き手からしましたら、音像が拡がって、ただでさえ浮遊感のベルクが、どこまでもベルクになるような気がするのですが、どうでしたのでしょうか。気になります。

    あと入退場(客席の方です)はいずみさん、どのようになさっておられましたか? 私が主催者になって配慮するといった立場にはないのですが、お知り合いが踊りの会などでこれからあれこれ考えねばならぬこともあって、よろしければ短報お願いいたします。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年07月05日 13:52
    > mixiユーザー コメントありがとうございました。リハ動画拝見しましたが、やはりこの二か所は、本番でも痺れるほどの空気感でしたね。奏者間の間隔は、センチュリーよりも狭かったように感じましたし、音像はぎゅっと締まっていました。ベルクも芯の通った響き。いずみホールの音は、いつもながらいいものです。

    入場は、距離をとることを係のかたが指示して、時間をかけて絞っておられましたが、退場はとくに指示なしでした。これでいいのかいな、と思ったのも事実ではあります。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年07月05日 17:44
    ベルクのヴァイオリン協奏曲はとてま好きな曲なので、素晴らしい演奏をコンサートで聴けるのは実に羨ましい限りです。

    そして、尺八協奏曲は気になります。かつてノヴェンバーステップスを聴いたとき、尺八と琵琶は感動的でしたが、オーケストラとは融合していなくて、東西の音楽が並んでいる感じでした。今回はどうだったか気になりまするんるん
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年07月05日 19:52
    > mixiユーザー 今回の尺八協奏曲は、ソリストと作曲家が芸大の同級生と言う若い組み合わせ。ノヴェンバーステップスまでのシリアスさはありませんが、響きを「楽しめる」作品です。FMでは魅力は十分伝わらないかもと思いつつ、チェックください。

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