いやあああああああ、すっごいもん聴かせてもらいました。
大阪 ザ・シンフォニーホール
センチュリー第238回定期演奏会
指揮・ピアノ シュテファン・ヴラダー
日本センチュリー交響楽団
(コンサートマスター 後藤龍伸)
スッペ:喜歌劇「詩人と農夫」序曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488
ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 作品92
こういう、「ウィーンの人が好き勝手やるオーストリアもの」を聴くと、まあずるいよなぁ、って思っちゃうところ無きにしも非ず。だって、日本人だったら、遠慮してここまでできないような気がするもん。
ベー7が、ものすごい演奏。ポルシェ911ターボ全開、疾風怒濤、フルスロットル、ですな。フルリピート完遂でも、トータルで35分程度という快演。ストバイtuttiの相蘇さんがここまで燃えたのを見たのは、ホントに久し振り、です。でも、棒は決して必死で煽ってるわけではなく、鬼のようなテンポを涼しい顔で当たり前のように叩いて行く訳で・・・そこに現れる音楽の流れや息遣いは実に「自然体」。
こういうの聞いてしまうと、オリジナルの方がどんどん進化と変貌を遂げ、日本での演奏が取り残されるているかのような気がしてくるなあ。これも「ガラパゴス化」というのだろうか?
でも、ふっと思ったのは、相手がセンチュリーだからここまで弾けるけど、弾けないオケを相手にしたら、この指揮者どうするつもりなんだろう? まあ、そんなオケは振りませんってことなのかもしれませんが。
モーツァルトも、弾き振りでいながら、同じく快速・爽快な佇まい。ここでも、そこかしこで、遊ぶようにtuttiをなぞるようなピアノを入れるあたり、昨今のフォルテピアノでの演奏の流れを汲むもの。ただ、この曲に限っては、このアプローチ、聴いていてやや窮屈な思いがしました。特に2楽章、もっとゆったりと、深い呼吸で歌って貰いたかったなあ。
終演後は、それこそ爆発するかのようなブラボーの嵐。いやあ、お見それしました、まさかこのプログラムでここまで聴かされるとは。まさに、脱帽、です。
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