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2020年01月23日12:21

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読書紹介1888●「退職刑事」 

●「退職刑事」 都筑道夫著 徳間書店 80年版 680円
 安楽椅子に坐ったまま、事件の謎解きをする系列の物語。西澤保彦氏の小説(腕貫探偵シリーズ)で、都筑氏の小説を継いでいるといっていたので読んだ本。本書は、退職刑事(恍惚刑事)とその末息子の五郎(現職刑事)が会話をしながら、五郎が今取り組んでいる事件の謎を解く、というストーリー。
 退職刑事は、息子たちの家を順番に廻って孫たちに会っているのだが、五郎の家に頻繁にやってくる。それは、五郎だけが自分の後を継いで刑事になったからで、五郎の家で食事をしながら現在進行中の殺人事件(五郎は捜査一課の刑事)の問題点を2人で整理するのが大好きだからだ。
 ということで本書では、7つの事件について食卓を囲みながら見事な謎解きをしてみせる、というもの。本書では、被害者の身近にいる者が思いもよらぬ動機(と事情)で殺人を犯してしまう様子が描かれる。
 物語の後半になって、恍惚刑事がとんでもないアイディアを披露すると、それ以外に辻褄があう論理がないことに気づいて、五郎が翌日の捜査会議に報告するのだ。よくこんなアイディアが思い浮かぶものだ、と感心して読んだ本でした。

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