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2019年04月21日12:58

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読書紹介1812●「悪党の裔 上」

●「悪党の裔 上」 北方謙三著 中央公論社 95年版 560円
 本書は、太平記の楠木正成と同時代人の赤松円心(50歳)が主人公。播磨の悪党(影で、公儀が集めた年貢を強奪したりの)の首魁である円心には、大きな夢があった。おのが手で天下を決したい(鎌倉幕府を倒したい)、というものだ。しかし、そのことを身内の者にも明かしたことはなかった。朝廷が起こす倒幕運動に加わらないのは、「捨て石」に赤松党が使われることを嫌ったからだ。
 ところがそこに、倒幕に起ちあがった楠木正成(40歳)という悪党が現れた。彼も円心と同じ野望をもち、みずからの思いで起ちあがったのだ。それでも円心は起たなかった。悪党の力だけでは、倒幕はできないと思ったからだ。武士を巻き込まなければ倒幕は成功しないと。
 円心が目を付けたのは、足利高氏だった。今は北条(平家)の従僕同然の立場におかれているが、源氏の棟梁たる家柄で、子供の頃から密かに北条打倒を心に秘めている人物だからであった。
 ということで、倒幕の1つの柱である楠木正成と並んで、円心は起った。建武動乱の行方を決する戦いのため、目指すは京。一路、六波羅へと攻め上がる。寡兵を率いて敗北を知らない円心であった・・・。というのが上巻でした。

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