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2020年06月06日20:15

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イングロリアスバスターズ

「イングロリアス・バスターズ」観ました。
2009年のアメリカの戦争映画で、監督・脚本はクエンティン・タランティーノ、出演はブラッド・ピット、クリストフ・ヴァルツ、メラニー・ロランなど。

第二次世界大戦を背景にした戦争映画なので、内容はかなり複雑、見ごたえのある内容になってます。
たまきは戦争映画って結構好きで、特にナチスものは、目についたら必ず観るかな?
ただし、ナチス映画は当然、と言おうか陰惨なものが多いでしょ?
だけどこれは、クエンティン・タランティーノ脚本、監督だってせいか、緊張はするけど陰惨ではないんですよね。
人が大勢死んだり、それも人の頭の皮を剥いだり、殴り殺したり、と、
すごい描写が続々出てくるんだけど、何故かすんなり観れて、後味も悪くない。
これって、タランティーノの特徴じゃありません?
彼の映画はこれで3本目、だと思うけど、どれもかなり残虐シーンだってあるのに、陰惨な感じがなくて、すっきり爽快、楽しく、面白く見れちゃう、という特徴がありますね。

まあ、たまきとしてはブラピ主演だし、戦争映画、ナチスもの、タランティーノ、とくれば言うことありません。
最高。
いやぁ〜・・・それにしてもよかった。
たまき的にも大当たり、そして実際、大ヒットしてるんですね。
$321,455,689、つまり322億円以上?の興行収入です。
受賞とノミネートの数も半端じゃない。
オスカーノミネートが8部門、そのうち一つが受賞、ゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞、グラミー賞・・・数々の賞のノミネートと受賞を果たしてます。
クリストフ・ヴァルツの助演男優賞や、タランティーノの監督賞、脚本賞が特に多いですね。

この映画は全5章から成り、第1章は『その昔…ナチ占領下のフランスで』です。
もうとにかく、冒頭場面からいいのです。
その前、タイトルや主な出演者等の表示と共に流れる音楽、「遥かなるアラモ」でしょうか?この曲がいいんです。
そして第1章、1941年、第二次世界大戦中のドイツ軍占領下のフランスの田園地帯。

のどかな田園地帯にある1軒の農家に、「ユダヤ・ハンター」の異名をとるナチス親衛隊のランダ大佐が部下と共に現れる。
大佐はいかにもナチス高官らしい、一見礼儀正しく、紳士的にさえ見える態度、でも尋問を受ける人に十分な恐怖心を与える、威圧的な態度で
静かに尋問を始める。
心理的な効果を十分に意識し、実に巧妙なやり方で相手に心理的圧迫感を与え、一切の恫喝も何もなしに、ユダヤ人一家を床下に匿っていることを白状させる・・・
このセリフのやり取り、その家の美しい娘達や、尋問を受ける父親の恐怖の表情、にこやかに知性的に、「ナチスの狂った論理」を展開するナチスの大佐。
もう完璧ですね。
いや、これはすごいわ、とたまきはのっけから思った。
彼らはさもありなん、という、典型的なナチス高官が、際立ってよかったです、不気味で。
物静かに上品に、知性的に紳士的に、指1本の動きで部下に、床下で息を殺して様子を見守るユダヤ人家族をメッタ撃ちで殺害させる大佐。
これがナチスドイツなのよ、という感じ。

そして第2章、『名誉なき野郎ども』。
映画のタイトルでもある、「イングロリアスバスターズ」の登場ですね。
1944年、レイン米陸軍中尉(ブラピ)は、ユダヤ系アメリカ人8名からなる秘密特殊部隊を組織し、各員が100人のドイツ軍兵士から頭皮を剥ぐよう命じる。
彼らは、ドイツ軍人を殺したら頭皮を剥ぐし、生きて開放する際には
一生消えないハーケンクロイツの傷をおでこにナイフで刻む、という人達。
残忍なのか風変わりな面白い人達なのか、よくわからない。

次、第3章『パリにおけるドイツの宵』。
1944年6月、パリ。ショシャナは、亡くなった叔父夫妻から経営を引き継いだ、身寄りのないうら若き女性映画館主エマニュエルという別人に成りすましていた・・・
ショシャナとは、第1章でランダ大佐一行に虐殺されたユダヤ人一家の
唯一の生き残りなのでした。
実は彼女が逃げる時、後姿をランダ大佐に見られていて、映画館館主としてランダに会う時、ショシャナは見破られるのではないか?と生きた心地もしないのでした。
その時、彼女は家族を殺された復讐に、自分の映画館の上映会に集うナチス高官をニトロセルロースフィルムを使って劇場もろとも焼き尽くすことを思いつくのです。

第4章『映画館作戦』。
第3章の映画館の上映会の話、というのは、ドイツのプロパガンダ映画をショシャナの映画館でプレミア上映、ナチス高官一同が観に集まる、というもので、その情報を英国軍がつかんだのです。
で、ドイツ人女優で英国軍のスパイであるブリジットと英国軍人、バスターズのメンバー等がドイツ軍兵士に成りすまして作戦の手引きをするために、フランスの田舎町のバーに集まったものの、偶然居合わせたドイツ軍人に偽物、と見破られ、銃撃戦でブリジット以外は皆死んでしまう。

第5章については割愛します。
あまり詳しく書くと、観る楽しみがなくなる、と思うので。
あっ、と息を飲むクライマックスを迎えます。

タランティーノは、この脚本を10年の歳月をかけて書き上げたそうです。
書いている最中に、これは自分の作品の中で、最高のものになるだろう、という予感があったものの、エンディングをどうするか、どうしてもいい案を思いつかず、何年もそのままになっていた、ということ。
それからようやく素晴らしいエンディングを思いつき、しかもバスターズのランダ役をブラピを、と決めた時、「これはすごいことになるぞ」
と思い、興奮したそうです。
そのブラピが言うには、タランティーノがこの映画の脚本を書いている、というのは公開8年前から、ハリウッドでは神話になっていた、ということです。
二人は、前々から一緒に仕事がしたい、と言っていたのだけど、いい機会に恵まれなかった、ということで、この映画で初めてタッグを組んだのですね。
それから約10年後に「Once upon a time in Hollywood」で再びタッグを組んだ、というわけ。
そしてタランティーノは、俳優の演技にもとてもこだわりがあって、このランダ役は、自分でやることも最初の頃、検討していた、というから大変な情熱を傾けていたことがわかりますね。
ランダ役のブラピが、少し顎を突き出し気味なのは、タランティーノに
似せて、そのイメージを生かしたかったから、なのかな?
そして、この二人には、たまき思うに共通点があります。
それは、彼らはとにかく映画好きで、多数の映画を観ているし詳しい、ということですね。
この映画では特にそれがよくわかります。
タランティーノはマカロニウエスタンからサスペンス、戦争映画、と、
あらゆる種類の映画に精通していて、何が観客を熱狂させ、楽しませることができるか、を熟知してる感じ。
エンターテイメントに徹している制作姿勢、好きです。
映画はこうでなくちゃ。

とくにネタバレ、というほどでもないから、ちょっと最後のシーンについて。
レインがランダを押さえつけてナイフで額に鉤十字を刻み、。「どうだいウティヴィッチ、こりゃダントツで最高傑作だ。」(第5章『巨大な顔の逆襲』) 、このシーンは圧巻です。
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