好き「キッチンマット」

狭い部屋なので洗面台など無い。

朝起きたら流し台で顔を洗う日常。

給湯器が付いているので寒い冬でもジャブジャブ洗顔出来て嬉しい。

ただし、いくら丁寧に洗っても足元に水滴がボタボタ垂れて床が濡れてちょっと不便だった。


キッチンマットを敷けばいいんだね。

問題を解消する答えはすぐに出たものの、ここからが長い道のりだった。

この部屋に無かった品物を一つ増やすからには、理想を追い求めて妥協することなく本当に気にったものだけを手に入れたい。

色味や肌触りを実際に確かめたかったので近所のホームセンターなどに行って物色してみたものの、いまいちピンとくるものとは出会えなかった。


となればもっと広範囲に捜索しなければならない。

まあ必然的に、ネット通販に頼ることとなる。

一発検索で山ほど商品が現れるかと思ったけれど、案外キッチンマット単独で探すとそんなにラインナップが出てこない。

それでもあきらめずにいろんな通販サイトの写真をミリミリとにらみ、何とか理想に近い品物を見つけだした。




そうして届いた待望のキッチンマット、色も形も大きさも想像のとおり。

そのうえ新品の滑らかな肌触りがとても心地よい。

通販サイトの情報だけで購入してピッタリ自分の理想と一致することって意外と多くないので、今回の勝負は大勝利だったと言える。

好きな家庭用品が一つ増えた。

次に引っ越すときも必ず持って行こう。




最近そのキッチンマットにGの死骸が横たわっているところを何度か目撃した。

心当たりはある。

季節がらGの出現が増えてきたので本格的に同棲を始める前にキッパリと決別しておこうと思い、対G兵器をキッチン周りに大量に仕掛けていたのだ。

きっとその効果により駆逐された結果だと思う。

私のキッチンマットはGとの戦いの墓標と化している。

勝負に勝っている、のか。