朝遅く、都内に向かう電車を駅のホームで待っていた。
一時間くらい乗っていくので、空席があればできれば座りたい。
ホームに電車が入線してきて扉が開く。
混雑している状況ではないが、車内のシートはすでに満席だった。
まあしょうがないかと車内の奥のほうへ進み、ベンチシートの真ん中あたりにポジションした。
目の前のベンチシートには4、5人の多分小学生高学年らしい少年たちが座っていた。
私と一緒に乗り込んできたお客さん達も彼らの前に並んで立った瞬間、目の前の少年たちが一斉に立ち上がって席を譲ってくれた。
えっ、うっそ、マジか。
おかげで私やその並びに居た4、5人はシートに座ることができた。
この先、道中が比較的長い私は大いに助かる。
すげぇなあの少年ら。
車内が混雑してきたことを察知した瞬間に、自分たちは躊躇なくシートを譲るあの潔さ、素晴らしい。
皆、運動着を着て大きなバッグを抱えていたので、どこかのスポーツクラブに所属する子らだと思うが、キッチリとしつけがなされている。
ここは素直に彼らの行為に甘えることにしよう。
そのまま次の駅まで進み、乗客が多少入れ替わり、私の席の前には年配の女性が立った。
うっやばい、ここはスマートに席を譲るべきだが、さっき譲ってもらったばかりだし、この先も長いし、目の前の女性はお年寄りと呼ぶにはまだ早いような気もするし、と迷っていたら電車が動き出してしまった。
席を譲るタイミングを失してしまい、自分は座ったままでいるのだが、電車が走っている間中ものすごく胸の中がモヤモヤした。
さっきの少年たちと比べたら、俺のカッコ悪さやふがいなさっぷりは半端ない。
自分自身で情けない、とはいえ席を譲るのは勿体ないし、という気持ちの押し合いだ。
そんなふうに気をもんでいると、次の駅に着いて新たなお客さんが乗車してきた。
すると私の席の左前に、これぞ足腰が弱そうな高齢者という女性が手すりにつかまって立った。
ピキーン、ここだっしょ。
私はすぐさまその女性にここの席に座れと手で合図を送り、席を譲って座ってもらった。
ふー、この先立ったまま行くのはしんどいかもしれないけれど、あのままモヤモヤし続けるのより断然マシだ。
こんなに気を遣うなら、今後はもういっそのこと電車に乗るときは立ってることにしようか。
いやいや、それは無理のしすぎっしょ、結局、んーそうだなー、座れるときは躊躇なく座る、そしてそれと同じくらいフットワーク軽く席を譲る、そんな感じっしょ。
そこらへんが魂の自然体の位置だろう。
※このカードの中でひらめきを感じたものを一枚選んでください
※78枚のカードに宿る精霊たちが次の内容で選んでくれた貴方をしばらく守護します。お守りを持つように選んだカードを意識の奥に沈めておくとよいでしょう。
左(剣のナイト):思うように動けていろいろな目標が達成されていくので周囲への配慮不足から嫉妬されないようにデリカシーに対する敏感さを高める(サポート弱)
中(ペンタクルの4リバース):金銭や物への執着が逆に前進への妨げとなりそうなので何かを断念する決断力を強める(サポート中)
右(剣の8):今は冷静に状況の変化を待つ時合いで焦りは禁物なので遠くを見据える視野を広げる(サポート強)
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