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2019年02月22日15:13

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何かを返せたのかな。

昨年秋、地域としては観測史上最強の「風」台風が地元の山々に強風の爪痕を残していきました。
今でも、あちらこちらでその跡が見られます。

日頃遊ばせてもらっている里山も、例外に漏れませんでした。
台風直後に状況を確認しに赴いた西多摩マウンテンバイク友の会会長とカミサンから、驚くほどの状況だと第一報が入り、「少しだけ」片付けてきたとも聞きました。

置かずして、僕と友の会会員のY崎さんと、片付けに向かいました。
ただ、カミサンから「バイクは使えない」と聞いていたのです。
徒歩で尾根道に上がると、それはもうとんでもない様でした。
道は、叩き落とされた枝葉で覆われ、一面の緑。レーキで道を掻き出しながら、進みます。
少し進むと、倒木や大きな落ち枝、中折れした危険木が相次いで現れ、道を塞いでいます。
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手作業で可能な物は対応しますが、なかなか進みません。
カミサンの言っていた「少し」は、いつもなら片付いている作業量だったのです。
結局、この日は地域の尾根道の1/4程度を回るのが精一杯でした。
それでも、ほとんど休みなく動き続けたので、くたくたでした。

その後友の会は、道を管理している地域町会の了承を得て、市と調整し、友の会主動でこの作業に当たらせてもらえることになりました。
これまで、友の会は地域と共に活動をしてきたので、信頼してもらえた訳です。
これに応えずして、なんとする。

それからは複数日に分けて会員が集まり、道の掻き出し、倒木や大きな落ち枝の除去を一つずつ進めていきました。
会員は、大人だけでなく子供もいます。
子供だって、立派なマウンテンバイカーです。
自分が再び走る事を思って、先ずは山の整理で汗を流します。
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でも、そこはそれ、作業は皆でおしゃべりしながら楽しく進みます。
また、作業でライドとは異なる速度で道を進むことによって、また新たな気付きがあったりします。
作業のもしつつ、その箇所を地図に落とし込むと…それは驚くほど多くの件数になりました。
たしか、大小含め60ヶ所以上です。もしかしたら、70に届くかもしれません。
ここまでの事態は、この里山で遊ばせてもらって30年になるかという経験の中で、初めてのことです。
友の会の強み、多くの会員の力で、手作業にもかかわらず2/3くらいは片付けることができたのではないでしょうか。
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ただ、無理はしません。ケガをしてしまっては、元も子もありませんから。
安全第一で進めます。
会員の皆さんは普段の活動を通して、各々が安全に配慮して進められます。

それでも、手作業では限界が訪れます。
次の手は、友の会の木こりチーム、チェーンソー作業の出番です。
木こりチームの人達は、市の森林レンジャーから指導を受け、ボランティア活動の中でチェーンソー作業をしています。
そしてついに、道の整備に用いる時が来ました。
やはりここでも作業や周囲の安全に注意を払い、工程を考えながら切り進めます。
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倒れていたり、引っ掛かっていたり、枯れていたり。危険木は通常の伐倒と違って、木が思いもよらぬ動きをして倒す予測を見立てるのが難しいのです。
ですから、どうしても友の会だけではやり切れない、難しい除去対象は残ってしまいます。

そして最後は、市の森林レンジャー隊長に協力していただき、最後の難関を片付けていきます。
プロの知見をいただき、見せてもらいつつ、教えていただきつつ、作業を進めます。
その作業だけでも、日を分けて二日掛かりました。
一日は娘も手伝ってくれて、作業エリアを通行する人に声を掛けてくれていました。
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最難関の一つは、尾根の巻き道一本が、まるまる倒木群で埋まっていた箇所。
事前に作業し易い様に枝払いをしておいたものの、それでもチェーンソー4台が半日フル稼働でした。
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その他にも、複雑に倒木と幹の中折れが折り重なり、皆で綱を引きテンションを取りながら、応力を切り分けつつ除去を進めるものもありました。
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また、道を移動しながらの作業になるので、皆で手分けして機材や補給を運びます。
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それは一日体を使う作業ですが、誰しも一件片付く毎に良い顔が見られました。
また、土地の神様のおかげか、季節はもう冬になっていましたが、作業日は穏やかな日差しで風もなく、心地良い昼食を摂ることができました。

そうして危険木除去も終わり、遂に一段落することができました。
まだ、道の補修が残っている状況ではありますが、尾根道を通るには不自由しないまでになりました。
マウンテンバイカーが道を大切にする気持ちが、会員の皆さんの力が、あの深刻だった事態をここまで戻せたのだと思います。

先日、地域町会の道普請があり、町の方達と一緒に道を歩きました。
その時には、作業した一部も通るので、簡単に作業の説明と報告をする事もできました。
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それとは別で、詳細な報告書も提示しています。
その時に、町会長や他の方々から、労いの言葉を多数いただきました。
その言葉は、作業に勤しんだ会員の皆さんに向けられたものですから、そのまま皆さんに届けたかったです。
僕としては、ここで遊ばせてもらうばかりでしたが、ここで遂に何か一つお返しできたかな、と勝手ながら思っています。

毎回作業前後には、土地の神様である神社に伺って、簡単ながら作業の無事のお願いとそのお礼をしてきました。
皆さんの努力もあって、全行程にて大事無く終えることができました。
神様や皆さんに感謝です。
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山や地域を思い、手助けできる、地域に必要とされる、遊ばせてもらうだけではないマウンテンバイカー。
そんなマウンテンバイカーになりたいです。
それが当たり前のことになった時、マウンテンバイクは地域の文化になれると思うのです。

このようなトレイル保全活動は、地域と行政との合意を経て行われています。
今回の一連の作業の中でも、間々、良かれと思って行ってくれたであろう作業跡が見られました。しかし、他との合意無き作業は、時として意図しない結果となるものもあります。
塞がれているその道は、意図的に塞いでいるのかも知れません。
もし、道に不具合が見られたときは、その地域の行政(環境課など)や公に活動している団体などに声を掛けていただければ幸いです。
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