副題にある通り、勇気、寛容、先見性などの切り口から、古今東西の偉人たち51人の生き方が示されている。
政治と社会はあくまで公正であるべきと考え、独占企業を規制して労働者や農民を保護し、国際連盟の提唱も行った、「強靭な精神をもつ行動の人」ウィルソン米大統領。アヘン戦争で敗れはしたものの、広く世界に目を開き、清廉で有能な官僚だった林則徐。為政者が多く取り上げられる中、トリに石原裕次郎が据えられていたことに驚いたが、精魂込めて作り上げた模型飛行機が悠々と滑空する中、ひとりその後を追わなかったという、どこか超越したかのような少年時代のエピソードを読むとすっと腑に落ちたような気がした。
それぞれの人物の本題に入る前のマクラがいい。リンカーン自身は本書に選ばれてはいないけれど、マクラの中で触れられた「相手の立場になって考えれば、たいていのことは怒る気にならない」というリンカーンの言葉が気に入っている。
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