古代から現代までの建築や都市の変遷を日本と西洋に分けて概括している。本書の最大の魅力はカラー写真や図版がふんだんに盛り込まれている点。壮麗なヴェルサイユ宮殿や凛とした寺社といった個々の建築物の意匠や構造から、城下町の構造や都市の改造など面的な広がりを持ったまちづくりにまで話が及ぶ。
独自の歴史を歩んできた日本の建築が近代化により西洋技術を取り込み、和洋が混在する擬洋風建築等を経て、新たな建築様式を打ち立ててゆく。変わらない本質的なものを保ちつつも、新しい変化を重ねてゆく不易流行という言葉が建築には相応しい。
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