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日記一覧

 この本は、単にロシア文学に現れるロシア料理を紹介するだけでなく、前菜やスープ、メイン、デザートといったコース仕立てで魅力的な数々の食べ物の説明を行いつつ、ひいてはロシアの文化や歴史も知ることができる名著だと思う。紹介される小説は知らなかっ

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 本書では、江戸や明治の頃を生きた様々な「古人」が取り上げられている。岡本綺堂や斎藤緑雨のように著名な人物はわずかで、多くは歴史の流れの中で忘れられてしまった無名の人びとだ。しかし、鶴ヶ谷真一の筆にかかると、書物や詩歌、旅、風雅を愛し、自身

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 幼年期、青年期、壮年期、老年期というように、どの文明や国家、経済なども、人の一生と同様の道筋をたどるのだろうか。 驚異的な戦後復興と高度経済成長から、バブル崩壊とその後の経済停滞、財政悪化へと至る戦後の日本経済の歩みを、本書は67の主要なエ

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 副題にある通り、勇気、寛容、先見性などの切り口から、古今東西の偉人たち51人の生き方が示されている。 政治と社会はあくまで公正であるべきと考え、独占企業を規制して労働者や農民を保護し、国際連盟の提唱も行った、「強靭な精神をもつ行動の人」ウィ

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 古代から現代までの建築や都市の変遷を日本と西洋に分けて概括している。本書の最大の魅力はカラー写真や図版がふんだんに盛り込まれている点。壮麗なヴェルサイユ宮殿や凛とした寺社といった個々の建築物の意匠や構造から、城下町の構造や都市の改造など面

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 素敵な名を持つ山は多いが、中でも北アルプスの燕岳の「つばくろ」という愛らしく優美な響きに惹かれてきた。モルゲンロートに染まる雪の燕岳、雪の間からあたたかな黄色をのぞかせる福寿草、田がうっすらと輝く残照の安曇野の町、初冬の清澄な空気の中に佇

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 下巻では、琉球王国が薩摩に占領された後の時代が描かれる。戦いの後、尚寧王たちは本土に連れて行かれ、見物人の中を罪人の「ひきまわし」のように江戸城まで向かった。その後、琉球を実質的に島津の土地とすることを示す掟十五条が島津から示される。島津

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 琉球王国への薩摩の侵攻、琉球処分による明治日本への併合、凄惨な沖縄戦、敗戦後のアメリカ支配下の生活。そうした苦難の先に現在の沖縄がある。沖縄返還50周年を迎え、美しい海や音楽、美味しい食べ物といった明るい部分だけでなく、基地問題など残された

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 著者の様々な著作から翻訳についての言葉を引用していて、翻訳のテクニカルな面から翻訳観、文学観、ひいては人生観までもが感じられる一冊。翻訳は原文を百%伝えることは不可能という「負け戦」の中で、できる限りその負けの点差をつめようと努め、原文を

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 「この本は作品紹介でもないし批評でもない。映画は人間と社会の背負っているどんな問題をどんなふうにして引き受け、どんな具合に解決しようとしているものなのであるかということを、さまざまな角度から考えてみたものである。映画をつうじて人はなにを解

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 「綾なす水押しぬきてぃ 走い出たる那覇港 綾なす水押しぬきてぃ 思いや果てぃねん旅心」 那覇の港を出て中国へと渡る琉球王国の進貢船を歌う、りんけんバンドの『ふなやれ』の曲は、「綾なす水」という美しい詞と雄大な調べがいつまでも耳に残る。 本

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 普段通勤の乗り換えでよく降りている自由が丘の駅の近くに、かつてこんな素敵な学校があったことに驚いた。 前の小学校を退学になったトットちゃんこと黒柳徹子さんと、トモエ学園の小林校長先生との出会いの場面がいい。好奇心が強すぎて前の学校ではもて

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「どうすれば人間は、一度しかない人生に意味をもたせることができるのか」「人が他人と協調して生きていくには何が必要か」「自然と共存していくためには我々は何をなすべきか」 宮沢賢治の作品が時代を超えて、国を超えて今も読み継がれるのは、童話という

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 「若夏」ー芽吹いた草木が緑を濃くし、日毎に夏へと向かう時節を表す琉球の古語。「初夏」という言葉とは言い換えられない、どこか清雅な響きを持つ。 この美しい言葉を表題に持つ本書には、音楽のように風に反響するサトウキビ畑の葉ずれの音、満天の星空

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 本書は沖縄の通史を平易な言葉でまとめている。全体の構成で特徴的なのは、沖縄戦から話が始まることと、アメリカ軍政下の記述の分量が多いことだ。  壕で泣いている赤ん坊が、アメリカ軍に気づかれてしまうという理由で日本兵に絞め殺された話をはじめ、

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 地球の陸地の八分の一を占めるロシアという大国の特質、その歴史の光と闇、世界を魅了する芸術、食や住まいといった人びとの暮らし、日本とのつながりなど多様な切り口から、礼賛でも批判でもなくロシアの実情を浮かび上がらせる。 中でも、ロシア文学につ

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「時はすべてのものを癒やして呉れる。どんなに深い悲しみも苦しみも、やがては忘れる時が来るだろう」「人間の一生には晴れた日も嵐の日もあります、どんなに苦しい悲惨な状態も、そのまま永久に続くということはありません」「楽しさも苦しさも、よろこびも

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 先日、映画評論家の佐藤忠男氏の訃報を耳にした。佐藤氏の映画評論は温もりがあり、作品への批判よりも、その作品の良さを少しでも多く見出し、読み手に伝えようという想いが伝わってくる。社会的な映画、芸術的な映画、前衛的な映画などこの世には様々な映

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 「人間には二つの大切な自然がある。日々の暮らしの中で関わる身近な自然、そしてもうひとつはなかなか行くことのできない遠い自然である。が、遠い自然は、心の中で想うだけでもいい。そこにあるというだけで、何かを想像し、気持ちが豊かになってくる。」

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