「蜜のあわれ｣｢画家とモデル｣＆｢フォルトゥナの瞳」

　…休日。
　朝５時半に起床し、いつものように洗濯を始める。

　午前中、DVDで石井岳龍監督の｢蜜のあわれ｣を観ました。

　午後から、やはりDVDでﾌﾗﾝｸ･ﾀｼｭﾘﾝ監督の｢画家とモデル｣と、三木孝浩監督の｢フォルトゥナの瞳｣を観ました。
　その後、ぶらぶらと自由が丘TSUTAYAに行く。



　☆「蜜のあわれ」(2016)監督 石井岳龍 出演 二階堂ふみ､大杉漣､真木よう子､永瀬正敏､韓英恵､渋川清彦､岩井堂聖子､上田耕一､高良健吾

　丸いお尻とチャーミングな顔の赤子は自分のことを「あたい」と言い、｢おじさま」と呼ぶ老作家といっしょに暮らしていた。
　赤子には、何と真っ赤な金魚にもなるという秘密があった。二人がひっそりと生活していたある日、老作家の過去の女が現れ……。


　大正期に活躍した詩人･小説家の室生犀星の小説「蜜のあはれ」を石井聰互から岳龍に改名した監督が映像化したファンタジー。

　ほぉ〜〜〜、コレが「狂い咲きサンダーロード」や「逆噴射家族」を作った石井聰互、いや石井岳龍監督の新作ですか。

　…いやぁ、驚きましたねぇ。やっぱり、60歳になろうってぇんで、だいぶんに丸くなったんですかねぇ。

　これはですねぇ、ある老作家の“妄想映画”ですねぇ。(笑)


　なかなか面白かったですよ！…大杉漣、良いですよねぇ。
　あと、二階堂ふみッ！…ボクはそれほど彼女が好き､というワケでもないのですが、この作品の中の二階堂ふみは良いわぁ。ちょっと見直しちゃいました。

　出番は少ないのですが、芥川龍之介の高良健吾がいい雰囲気です。いい感じの色気がありますな。


　澤田石和寛による赤子の衣裳デザインが魅力的です。



　☆「画家とモデル」(1955)監督 ﾌﾗﾝｸ･ﾀｼｭﾘﾝ 出演 ﾃﾞｨｰﾝ･ﾏｰﾃｨﾝ､ｼﾞｪﾘｰ･ﾙｲｽ､ﾄﾞﾛｼｰ･ﾏﾛｰﾝ､ｼｬｰﾘｰ･ﾏｸﾚｰﾝ､ｴｳﾞｧ･ｶﾞﾎﾞｰﾙ､ｱﾆﾀ･ｴｸﾊﾞｰｸﾞ､ｴﾃﾞｨ･ﾒｲﾎﾌ､ｼﾞｬｯｸ･ｲｰﾗﾑ､ｷｬｽﾘｰﾝ･ﾌﾘｰﾏﾝ

　リックは売れない漫画家であり、居候のユージーンはただの漫画オタクである。一方、同じアパートに暮らすアビーはライバルの漫画家で、同居人ベッシーはコスプレ･オタクである。
　アビーはベッシーにバット･レディーのコスプレをさせて、大ヒットコミックを描いていたのだが、出版社とモメて契約を破棄する。その後を継いだのがリックだった。
　そんなこんなで、ベッシーはユージーンにご執心となり、リックはアビーを誘い彼女も悪い気はしない。しかし、ユージーンの夢の中で語った数式をコミックに描いたから、さぁ大変！
　それは偶然、軍の機密事項だったのだ。米ソ両大国は彼らが出席するコスプレ･パーティーにスパイを送り込む。まず、ベッシーが拉致され、ユージーンに魔手が延びる……。


　ディーン･マーティンとジェリー･ルイスのコンビによる“底抜け”シリーズの一本です。

　1950年代、―アメリカがもっとも幸福だった時代と言われる50年代、如何にもそんな時代を代表するようなノー天気なコメディ映画。

　なんにも考えずに、ヘラヘラ笑いながら観るに限るような映画です。

　ヒッチコックの「ハリーの災難」でデビューしたばかりのシャーリー･マクレーンの、映画出演２作目の作品です。
　彼女のコメディエンヌの才能が一気に開花しているように、楽しそうに演じているのが印象に残ります！


　…個人的に、ジェリー･ルイスの芸風がいまひとつ苦手なものですから、もひとつ映画に乗り切れなかったかな。



　☆「フォルトゥナの瞳」(2019)監督 三木孝浩 出演 神木隆之介､有村架純､志尊淳､DAIGO､松井愛莉､北村有起哉､斉藤由貴､時任三郎

　幼いときに飛行機事故で家族を失った木山慎一郎は、友人も恋人もなくただ仕事のみに生きてきた。
　しかしある日、｢死を目前にした人間が透けて見える能力」―フォルトゥナの瞳―を持っていることに気づき、生活が一変してしまう。自分はなぜこんな力を持ってしまったのか…。
　苦悩する日々の中、偶然入った携帯ショップで桐生葵という女性に出会う。明るく、自分に対し夢や自信を与えてくれる彼女に心惹かれていき、孤独だった慎一郎の人生に初めて彩りが生まれる。
　互いに惹かれ合い、幸せな日々を過ごす２人。しかしそれもつかの間、突然葵の身体が透け始めてしまう……。


　う〜〜〜む、何と申しましょうか。まぁ、ねぇ、なんか、あまりにも出来すぎたハナシのような気がして。

　…まぁ、いい話だとは思いますけど、ちょっとドラマとしてどうなんでしょうか。

　神木隆之介演じる木山クン、いい人過ぎちゃってねぇ。もう少し、人の心の“闇”が見えるとよかったような気もします。

　…ちょっと、イマイチだったかな。