mixiユーザー(id:26940262)

2020年05月28日17:17

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はっきり決められないから面白い

もう20年近く前、しょっちゅう通っていた淀川区のジャズ喫茶でのこと。
僕より後から入ってきた男女3人のグループ。
初来店らしく、マスターも気を遣ったのか「何か聴きたいのはありまっか?」と水を向けて、男性客の1人がリクエストしたのが、なんと、チェイスの「黒い炎」!

しかも、当たり前のように平然と。
隣でコーヒー吹きそうになった(笑)
難しい顔をされるマスター・・・
その後も「噛み合わない」彼らのリクエストに苦り切っていた。なんとお気の毒(笑)

でも、である。ぜんぜん詳しくない方が、あの曲の熱いトランペットのアンサンブルを聴けば、うわっ、なんてカッコいい「ジャズ」だ!と思い違いされても不思議じゃないだろう。
同じことが同時代に流行った「ブラスロック」にも言えると思う。
ブラット・スウェット&ティアーズとシカゴの結成は、同じ67年。「黒い炎」のリリースは71年。
やっぱりそういう「ジャズロック」の時代だった。
ブラスロックについては僕は、洋楽リスナーのくせに詳しくないから、あまり掘り下げることはできないのでここまでにしたいですが。

フランク・ザッパの『ホット・ラッツ』も外せない(69年)
フォト https://youtu.be/RGQxI0G6mKk
ユニークで高度な構成、演奏スキル、ほとんどインスト曲であるにもかかわらず、風刺やメッセージがそこにある。それはまさに、ジャズを導入したロックスピリット。
僕が悔しいのは、このアルバムを長年に渡って聴く機会を逃し続けたことだ。
もっと早く知っていれば、自分のリスナー生活が少しは違っていたのかも。

しかし、『ホット・ラッツ』の代わりに、大きなインパクトでもって今も息づいているのが誰あろうソフトマシーン。
フォト

もうmixiにおいては何度も言うておりますが(笑)、大昔にレンタルビデオで見た彼らのパフォーマンスに痺れまくったのです。俺の人生はこれで決まった!(笑)
〈71年「BEAT CLUB」での演奏〉https://youtu.be/7ODd-bh0-2E

ブラスロックと違って、プログレシブロックの方が大好きだったので(ソフトマシーンもそこに分類されていた)、そっちのほうが「とっかかり」が大きかったのでしょう。特にキング・クリムゾン。
実は僕が初めて聴いた彼らのアルバムは『〜宮殿』ではなく『リザード』(トップ写真左)、 その「ジャズっぽさ」も少なからずの影響はあった。
ここでピアノを弾いていたのが、英国ジャズ界の俊英と言われたキース・ティペット(トップ写真中 側の眼鏡の男はロバート・フリップ)
71年のアルバム『Dedicated to You But You Weren't Listening』
フォト https://youtu.be/WQT509FNIuc

彼とソフトマシーンとで人脈が重なるところはあり、その後はイアン・カーというトランペッター率いる「ニュークリアス」との出会いがある。(トップ写真右)
フォト
(74、75年のカップリング)

そうだ、クリームのジャック・ブルースとジンジャー・ベイカーもジャズ志望だった。彼らがもともと加入していたグレアム・ボンドもジャズミュージシャン。
フォト
彼の下にいたもうひとりのメンバー、ディック・ヘクトール・スミスは後に「コロシアム」に参加する。リーダーのドラマー、ジョン・ハイズマンもジャズ志向。

彼らの曲や演奏のどれもが、米国ジャズのコピーではない。独自の創意工夫、クロスオーバー感覚が至るところに発揮されている。それは、ロックンロールやブルースが「本場」から大西洋を渡ってカスタマイズしたのと同じように。
これだけのミュージシャン/バンドを輩出したのはすごいことだし、彼らの誰もがジャズとロック両方に跨っている。
米国と違って国が小さく(必然的に「シーン」も狭い)、深刻な人種偏見もなかったから?という推測も沸いてくる。

と言うことで、僕にとっての「ジャズロック」はブリティッシュロックのそれだ・・・という独断的な結論になっちゃうわけです(笑)

こんな本も出てるくらいだし(笑 でも、これは「どジャズ」方面も紹介してるし・・・)
フォト


前回で触れたマハビシュヌ・オーケストラ。ギタリストのジョン・マクラフリンも英国人。
あれ?何か似てると思ったのはキング・クリムゾン。特にジョン・ウェットン在籍時のそれに近い。『太陽と戦慄』『暗黒の世界』なんて、もはやロックを脱しているような・・・(『レッド』で再びハードロックしちゃうのだけどあせあせ)

でもまあ、「フォークロック」や「ブルースロック」に「カントリーロック」、「ラテンロック」などなど、異ジャンルとのクロスオーバーにときめくのは、みんなそうかな?ともるんるん
商品化されて、つまらなくなるのも同じ?(笑)

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