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mixiユーザー(id:26940262)

2020年01月18日13:33

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生き延びた君たちこそがヒーローズ ( 映画『ジョジョ・ラビット』)

同じ公開日であるイーストウッドの新作でなく、こっちを選んでほんとうに良かった!
気の早い話ですみませんが、今年の洋画ベストスリーに入れたいくらいの快作。

第二次大戦末期のドイツ。主人公の「ジョジョ」は10歳。彼が生まれた時には国は既にナチス政権下にあった。
彼もその教育を受けた、言わば生粋のナチスボーイ。
ヒトラーユーゲント(ナチス青年団)のキャンプに参加し、立派な兵士になるために奮闘する毎日を送っていた。
しかし訓練でウサギを殺すことができなかったジョジョは、教官の「キャプテン・K」から「ジョジョ・ラビット」という不名誉なあだ名をつけられ、仲間たちからもからかいの対象となってしまう。そしてある日の教練で事故を起こし、顔に大きな傷を負ってしまう。

ジョジョは母親(スカーレット・ヨハンソン)とふたり暮らし。父親は出征したまま行方不明になっているが何か疑惑ありげ。姉もいたが昔に病死しているらしい。
お母さんは、ジョジョに限りない愛情を注ぐ、奔放で怖れを知らない自由主義者。しかもどうやら、彼女はジョジョの知らない秘密があるようだ。それに気がつきショックを受けるジョジョ・・・

これ以上はネタバレになるので説明できません。とにかく、その先の見えない展開だけでなく、戦時下、そしてナチスの時代という重い題材をまるで童話のようにコミカルに、だけどそこにはラブ&ピースのメッセージと戦争の悲惨さを絶妙に散りばめて行くのは見事というほかありません。
どれだけ絶妙かは、おそらくご覧になればわかります。としか言えないのはどうか御容赦(笑)、昔から反戦喜劇の傑作は数あれど、本作も間違いなくその1本に入ると言っていい。

おそらく、誰がご覧になってもいちばん印象的(強烈)なのが、事あるごとににジョジョの目の前に現れる「アドルフ」
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もちろんそれはヒトラーの幻であり、ジョジョにとっては教えを乞うヒーローの妄想だ。これは昔から色々な映画で用いられた手法だけど(僕は11年前のケン・ローチ監督『エリックを探して』が印象的。その時はマンUのサッカー選手、エリック・カントナ)、まさかヒトラーを持ってくるか!と。
もちろん彼がジョジョをナチス主義で鼓舞するのだけど、これがまたなんともユーモラスなのですね。しかしジョジョはいずれは「アドルフ」の呪縛から抜け出さねばならない。その時は来るのか?そこも見所。
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フォト【予告編】https://youtu.be/L4rFW69Ypk0

この映画がどれだけユニークで秀逸なセンスなのかをいちばん物語るのはオープニングだ。ヒトラーに熱狂する女性たちの記録映像のバックで流れるのは、なんとビートルズ「抱きしめたい」ドイツ語バージョン!
独裁者もロックスターみたいなものじゃないか?という、誤解を招きかねない強烈なアイロニー。ポール・マッカートニーがよくぞ許諾してくれたものだと思う。
そして、それと対を成すようにエンディングな流れるのは・・・!? これがもうほんまに感涙モノなんです。
この素晴らしい計らいだけで星ひとつ進呈したいほどで、ラストシーンだけでもリピート観映したくなった。

ビートルズ「Komm Gib Mir Deine Hand」
https://youtu.be/B-mU-MwAjv4


終盤にジョジョの街も戦火に巻き込まれるところから戦争映画らしい様相になるのだけど、このディテールもまたリアルで、「その筋」大好きな自分も注目させられたことも付け加えておきたい。
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教官の「キャプテン・K」(演じるはイーストウッドの新作にも出演しているサム・ロックウェル)も大きな役どころなのだけど、市街戦の場面で彼が構えるマシンガンがなんとベルグマンMP18! 
装備が逼迫して、こんな年代物の兵器が持ち出されたのを物語るようで心憎い限り。

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コメント

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年01月18日 16:13
    この映画、友人から試写会の券の声をかけてもらっていながら都合がつかず、行けなかったので気になっていましたが、トクさんの「エリックを探して」の言及で、俄然見たい度があがりました。あれ、面白かったですね&ケン・ローチだったんですね(と、そのときの日記に同じことを書いています。よろしければ。)

    https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1654827227&owner_id=1420189
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年01月18日 19:03
    明日名古屋へ出るので、近所の映画館でやっていない「パラサイト 半地下の家族」観ようと思ってたんですが、
    こちらに変更にようかな〜?

    イーストウッドも良かったですよ(ボソッウッシッシ
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年01月18日 21:17
    > mixiユーザー

    これ、ストーリーの流れが小説っぽいなと思っていたら、やっぱり原作があるみたいです。どうも訳出されてないみたいですが、本当によく出来てますよ!
    深緑さんの『ベルリンは晴れているか』を読んだ後だけに、被るところもとても多くて。

    『エリックを探して』の日記、拝読しました。
    実は僕は、観た当時はいい印象じゃ無かったのです。ローチ監督ともあろう人がこんな軽い、大人のファンタジーみたいなの・・・と。「キネ旬」でも評価が低かったし。
    でも今思い出せば、向こうの人のサッカー愛と人間味がよく出て、やっぱりいい映画じゃないかと。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年01月18日 21:21
    > mixiユーザー

    『パラサイト〜』は火曜日に観ましたが、あれはあれで凄い映画でしたし、どちらも甲乙つけ難い秀作です。
    あとはお任せ(笑)

    もちろんイーストウッドの新作も必見です。今月中にぜったい行きますよ表情(嬉しい)

    しかし、今月は例年にない当たり月ですねえ。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年01月19日 06:28
    youtubeで予告だけ見て。
    貞子さんなのか!?の時は笑ったけど(笑)
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年01月20日 15:08
    > mixiユーザー

    その「貞子さん」がネタバレ禁止の大きなポイント目
    サスペンスもあって、そこも面白いのよ。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年01月20日 22:57
    靴ひもの伏線、泣けました。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年01月21日 09:01
    > mixiユーザー 

    あれも素晴らしい小技ですよね!
    これから日本でどれくらい評判を呼ぶのか気になります。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年01月21日 14:37
    > mixiユーザー  あーーごめんなさい顔(願)
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年01月25日 18:42
    今までのナチス物にない本当にポップで痛快な作品でした。
    キャプテンKの最後の行動(副官とナチス禁制の同性愛?)や
    デブっちょのヨーキーも良かったです。

    ”エリックを探して”、 確かに設定が似てますね。
    あの映画も最後は痛快でした。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年01月26日 17:00
    > mixiユーザー 

    斬新でしたよね〜!
    今までコメディ調の反ナチ映画は幾つもありましたが、選曲が象徴する通りとてもポップ!
    だけどかなり鋭いところを突いている。
    「キャプテン・K」の最後の行動も「キマって」ましたし、ヨーキーが生き残っていたのも意外でそれが余計に良かった。

    『エリックを探して』、ご覧なられましたか。しかし歴史最大のヒールをああいう妄想のヒーローとして(しかも明るく)登場させるセンスも素晴らしいです。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年01月30日 19:19
    この作品には意表をつかれました。
    こんな反戦映画があるのかと。
    監督の名前が変わっていると思いましたが
    その出自を知って、更に納得しました。

mixiユーザー

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