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2019年11月21日20:28

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クールなインプロバイザー、リー・コニッツの思い出

またまたジャズネタで退屈でしょうけど(笑)、ウォーン・マーシュを紹介したのだから、兄弟弟子として有名なリー・コニッツについてもちょっと触れたい。

同じ「トリスターノ門下」でも、昨日の日記で述べたように、日本での人気や評価は彼の方がずっと高い。当時においても白人アルトサックス奏者では「西のアート・ペッパー、東のコニッツ」ってなものか?(フィル・ウッズは3番手?笑)
もちろん僕もずいぶん以前から、詳しくはないにせよ、それとなしには聴いていた。

彼はマーシュと同じく、クールな抑制美を会得した一方、インプロバイザー(即興プレイヤー)としても独自の世界を作り上げた人で、それは例えば僕が持っている2枚の名盤『Real Lee Koniz』(57年)と『Motion』(61年)でそれは明らか。
フォト「Foolin’ Myself」
https://youtu.be/ZhEJnJbq_NQ

フォト「You’d Be So Nice Come Home To」
https://youtu.be/h8Jc2wqHj_4

アドリブ感が、あたかも計算されたように凝縮されている前者と違い、ヘレン・メリルの名唱で有名な後者・・・というか、どこがあの曲?なんだこりゃ?と思うくらい原曲のメロディを分解しまくっているのに最初はびっくりしたものです(同じ曲を艶やかにカバーしているアート・ペッパーとはえらい違い)
しかも今回並べて聴いてみれば、彼の吹くサックスのトーン、「語り口」が実はそれほど違っていないのに気づく。短いか長いか、「言葉数」だけ。
これこそが自己修練を重ねて作り上げた個性。それこそジャズレジェンドの技なんだなと、あらためて目を見張る思い。

昨日紹介したウォーン・マーシュの75年のデンマーク録音。実は同じ年に兄弟弟子であるコニッツとの再会ライブが残されています。これが超絶的に素晴らしい!縦横無尽にスイングし、無限のようなパッセージ。
フォト

師匠トリスターノと共に研鑽し続けたビバップ、いやチャーリー・パーカーへの回答がまさにここにある。
「kary’s Trance」https://youtu.be/Qfk5HeRG-eI

いや、実はこの快演を紹介したくて、この日記を長々と書いたようなものです(笑)

11年前の夏.旧ブルーノートに来演したのは今も忘れ難い思い出。
ピアノ、ドラムスの若いサイドメン(ベース不在)と共に、往年よりも枯れた風情になったとはいえ、自由度の高いプレイは変わらなかった。
その日、7月17日はきしくもジョン・コルトレーン の命日。
終盤「Giant Steps」を披露してくれた計らいは嬉しかっだけど、(以下、日記の抜粋)「よくよく思い出すとメインテーマを吹くのを逡巡する素振りをしたり、プレイしてもシメはピアノにお任せ、という投げ出し方(としか見えない)からして、どうも楽屋裏のリクエストでしぶしぶ応じたと言う感があるのだが。」
そのコンサート。実はFM Cocoloの番組「ワールド・ジャズ・ウェアハウス」のプレゼントだったのです。
「核心的なジャズミュージシャン」とコニッツを評されたDJクリスさん。いい所を突いてるな、と。懐かしい。

リー・コニッツ。今年で92歳!フォト
去年も一昨年もアルバムを出されているからまだ健在。

最後にもう1枚だけ。僕が持っている「最新の」アルバムが8年前の『Live at Birdland』
フォト

ブラッド・メルドー、チャーリー・ヘイデン、ポール・モチアンら豪華なサイドメンを迎えて円熟の演奏。
フォト

『Oleo』https://youtu.be/uY6BDqHGYlw

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