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2019年06月25日13:10

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好きであり続けることの難しさ( 映画『愛がなんだ』:追加動画あり )

「どうしてこんな人を好きになってしまったのだろう?」
と思いながら恋愛関係を続けざるを得ない。そんな「仲」は往々にしてある。
ご破算に(リセット)してしまうのは勇気の要ることだ。捨ててしまうのは痛くて辛いから。
恋愛は十人十色。離れ離れになっていた兄妹が再会するかのような運命的な出会いばかりとは限らない。成り行きでそうなってしまった仲があるし、DVなぞはまた別問題だけど、出会った時はあれほど「ときめいて」いたのに、付き合っていくうちに、次第に互いが抱く思いのズレというのがいつのまにか増幅してしまうこともある。
「アナタは私の事をどれくらい想っているの!?」
しかしお互い、なかなか本心をぶちまけられない。互いにプライドがあるし。誰もが自分が可愛い。甚しきは「自分系」なんて言葉も生まれるくらいだ。

この映画の2人、テルコ(岸井ゆきの)とマモル(成田俊)もそう。
明らかにテルコの方が「惚れた弱み」な立場になっていて、正直とは言い難い、どころか不誠実なマモルに翻弄されてる感がある。それに傷ついてばかりのテルコ。。。
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正直、マイミクさんのレビュー日記(「もどかしい恋愛映画」的な感想)や、女性層に大評判なのが逆に軽い抵抗感になっていたのだけど、近所のシネコンで上映されているのを幸い、勇気を起こして(笑)観てみれば、なんてことはありません。最初に述べた「恋愛あるある」のリアリティが、今どき感と、心理劇を読み解くようにデリケートな感情表現にいつのまにか絆されて、50になんなんとするオッサンが観ても(笑)感情移入しまくってしょうがなかった。やっぱりそこは原作者の角田光代の力量かな。

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テルコと仲良しの葉子(深川麻衣)が、彼氏なのかどうなのかはっきりしないナカハラ(若葉竜也)と付き合い続けているのが、対になっている図式も面白い。
そのナカハラがテルコに「もう(葉子を)好きになるのが辛いんスよ・・・」と吐露する場面が、もう僕としては共感しまくりで(笑)泣けてくる。その後にテルコが喝を入れるように放つ言葉(それこそタイトル)の抜けの良さ!

おそらく原作には無いであろうトリッキーな場面が幾つも設けている監督、今泉力哉のセンスがいい。特に、彼女の「フリースタイルラップ」の場面は出色。
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物語に波風を起こす役廻りの「スミレさん」。これがまた「あるあるな」キャラなのだけど、アクの強い存在感で演じたのが久しぶりに見た江口のりこだったり、片岡礼子の客演も意外で嬉しかった。

もちろん主演の岸井ゆきのが魅力的なのは言わずもがな。僕は今まで彼女のことをあまり知らなかったのだけど、身長150cmに満たない小柄で、小動物系な風貌が逆にテルコの役柄にマッチしているような気がした。
何かの暗喩であるかのようなラストシーン。ホームカミングスのエンディング曲もまた素晴らしい余韻を残します。

【予告編】https://youtu.be/SA4bh7J8_ck

ホームカミングス「Cakes」
https://youtu.be/u1A53wFN9A0


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