ホーム > mixiユーザー(id:26897873) > mixiユーザーの日記一覧 > 「ブラームスはお好き?」(芸劇ブランチコンサート)

mixiユーザー(id:26897873)

2019年12月13日19:39

58 view

「ブラームスはお好き?」(芸劇ブランチコンサート)

「芸劇ブランチコンサート」は、毎日新聞社といわゆる音楽事務所のMIYAZAWAが主催するコンサート。一月おきに東京・池袋の東京芸術劇場で朝の11時から約1時間のミニコンサート。

フォト


ピアニストの清水和音がナビゲーターを兼ねて、その仲間である日本のトップアーチストと繰り広げるブランチタイムのコンサートです。休憩なしの1時間のコンサイスなコンサートでプログラムも親しみやすい名曲が中心ですが、内容は本格的。

フォト


平日の朝11時開演、会場は2千人収容の本格的なオーケストラホールということで、3年ほど前にスタートした当時は、1階席ステージ近くのブロックしか埋まらずがらがらだったそうですが、今や2階席までほぼ満席。こういうランチタイムコンサートは、気楽でチケットも比較的安価で浜離宮朝日ホールなど他のホールでも大人気のようです。たった1時間の開演時間ですが、現役世代の若い人も少なくなく、遅刻してくるスーツ姿の方も多く見かけられ、それを配慮してなのか1曲目、2曲目は短いアンコールピースで構成しているところも、ちょっと心憎い思いやりを感じさせます。

我が家からも池袋はバス1本で行ける下駄履きの距離。同居人にも声をかけたら珍しく同意が得られ、久々に夫婦そろっての音楽鑑賞です。そういうところも、このコンサートの人気の背景にあるのではないでしょうか。

今回のお題目「ブラームスはお好き?」は、もちろん、フランスの女性作家フランソワーズ・サガンの小説のこと。「さよならをもう一度」という題名で映画化。若きアンソニー・パーキンスとイングリッド・バーグマンの主演で、パリを舞台に繰り広げる、自由で束縛がないからこそ揺れ動く若い男女の交歓の機微がとてもお洒落で人気を博しました。私たち夫婦は、映画公開からはちょっとだけ遅れた世代ですが、青春時代に文庫本やTV放映などで慣れ親しみました。ブラームスの交響曲第3番第3楽章の甘く切ないメロディーはこれで覚えたクチです。

フォト


1曲目は、向山佳絵子さんのチェロで「愛の歌」。歌曲集「5つの歌」の第5曲からの編曲ですが朗々としかも甘い音色のチェロにはぴったり。向山さんは、ソロやアンサンブルプレーヤーで活躍していますが、一時期、N響の首席も務めました。夫の藤森亮一さんがもともと首席だったので、夫婦そろっての同じ楽器で同じオケの首席ということで周囲を驚かせました。

フォト


2曲目は、松田理奈さんのヴァイオリンで、ハンガリー舞曲。ちょっと松たか子似の美人ヴァイオリニスト。その音色も、線のくっきりとしたボーイッシュな美音で、この曲にもぴったりです。私は、2013年の新日鉄音楽賞フレッシュアーチスト受賞記念コンサート以来ですが、相変わらずお若くて美人。この曲は、オバさんが演奏するといかにもビアホールの余興風になってしまいますから、やっぱり若くてきれいな松田さんだからこそかっこいい。

本命はピアノ五重奏曲。

フォト


演奏の前に清水和音さんがヴァイオリニストとして加わる崎谷直人さんにインタビュー。崎谷さんは、神奈川フィルハーモニー管(通称「かなフィル」)のコンマスですが、自らもウェールズ弦楽四重奏団を主宰しています。今回は、セカンドヴァイオリンを担当していますが、それはご本人のたっての希望なのだとか。あえてセカンドとして他の人のリーダーシップにも触れてみることが勉強になるからなのだそうです。話しは短く嫌味のないものでしたが、とても興味深いものでした。

じっくりとこの曲を聴くのは久しぶりでしたが、見事なアンサンブル。一見、弦楽四重奏にピアノが加わっただけに見えますが、5つの楽器がそれぞれに技巧的に独立していて実に巧妙に組み合わされ、情感のロマンチックなうねりを精妙にかつ大きな起伏で描いていきます。ピアノもヴァイオリンも時には長い休止があって、チェロやヴィオラなどの絡みが浮かび上がってくる。5色、4色、3色…と様々な組み合わせがあって、まるでゴッホの絵のように色を隣り合わせたり重ね合わせたりと配色の妙味があって単純な楽器構成でありながら実に色彩豊かです。シェーンベルクがブラームスを大絶賛したのもうなずけます。それを見事なアンサンブルで聴かせてくれました。

フォト

私の愛聴盤は、ポリーニとイタリア四重奏団のLP。

そのことを言うと、家人は『この曲は、ピアノが良くないとダメよね』との感想。

実は、彼女は、まだまだ清水和音が紅顔の美少年だった頃からの大ファン。

フォト

外観はともかく、その音色は相変わらずの美音です。何か表向きは辛口の感想のようですが、要するに大満足だったというのが本音のようでした。

『じゃあ、私はちょっと買い物してから帰る』

コンサートがはねると、それが別れのひと言でした。



フォト


芸劇ブランチコンサート
清水和音の名曲ラウンジ
第22回「ブラームスはお好き?」
2019年12月11日(水) 11:00〜
東京・池袋 東京芸術劇場コンサートホール
(1階J列34番)

ブラームス:愛の歌
       チェロ:向山佳絵子 ピアノ:清水和音
      ハンガリー舞曲第5番
       ヴァイオリン:松田理奈 ピアノ:清水和音
      ピアノ五重奏曲
       ヴァイオリン:松田理奈、崎谷直人 ヴィオラ:佐々木亮
       チェロ:向山佳絵子 ピアノ:清水和音
14 8

コメント

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2019年12月13日 19:58
    「芸劇ブランチコンサート」はずいぶん豪華なプログラムなんですね。 これなら人気が出るでしょうね。

    ドイツでも、週末にブランチコンサートがあって、オペラハウスのホワイエで、室内楽を安い料金でやってました。そういう意味では、水戸芸術館でも、「ちょっとお昼にクラシック」というシリーズがあります。一流の演奏家による1時間のコンサートで、1500円でドリンク付きです。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2019年12月13日 21:42
    奥様が・・・・・・これで彼の全曲ショパン長時間Concertが女性達で埋め尽くされていたことが理解出来ました!?
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2019年12月13日 22:22
    ランチタイムの演奏会には珍しく、このシリーズはアンサンブル中心なのが珍しいですよね。私もたまに聴きに行きます。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2019年12月14日 11:15
    清水和音のミニコンサート、いいですねー。清水和音と言えば、数年前にサントリーホールで開催された3大ピアノコンチェルトに行ってきました。チャイコフスキ1番とラフマニノフ2番、それにベートーヴェン5番の「皇帝」です。弾く方も大変だったでしょうが、聴く方もかなり大変でした・・・。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2019年12月15日 12:20
    > ロベルトさん

    1500円はお得感がありますね。ミューザ川崎では「MUSAランチタイムコンサート」というのがあって、こちらはワンコイン(500円)です。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2019年12月15日 12:26
    > UNICORNさん

    この世代に限らないことなのかもしれませんが、女性の熱狂的ファンに歳を重ねてもずっと愛されているピアニストっていらっしゃいますね。いつだったかのデジュー・ラーンキもそうでした。こちらはロマンスグレー…というより、総銀髪でしたが、それでも老貴公子然とした風貌はなるほど妙齢の女性にも人気というのも納得でしたが、その演奏はやや??でした。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2019年12月15日 12:30
    > 順ちゃんさん

    清水さん、長身の崎谷直人さんとのトークでは、しきりに自分が短軀であることを自虐ネタにして笑いを誘っていましたが、若い頃の、いわゆるジャケ写真のイメージからすると、小柄なことに驚きました。演奏では、小柄なことが信じられないほどに精力的ですね。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2019年12月15日 12:34
    > mixiユーザー 

    よく行かれるのですね。そうなんですよね、トップのソリストたちのアンサンブルがこのシリーズの魅力ですね。しかも、今回のブラームスの5重奏曲のように、本格的な曲に真剣に取り組んでいる。それでいて重たくならないのがこのシリーズの良さ。アンコールは一切無しで、聴衆もそれを心得ていて演奏が終わると一斉にさっと席を立って閉演です。

mixiユーザー

ログインしてコメントを投稿する