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2019年10月03日15:55

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ベートーヴェンのバレエ音楽 (紀尾井ホール室内管定期演奏会)

ここのところ意欲的な企画が続く紀尾井ホール室内管の定期公演。今回は、滅多に聴く機会のないベートーヴェンのバレエ音楽「プロメテウスの創造物」の全曲演奏。しかも、俳優の西村まさ彦さんの語り付きでした。

「序曲」は、演奏されることは少なくないし、「英雄」交響曲の終楽章のテーマとして流用された「終曲」は、楽曲解説などで時々引用もされる。けれども、全曲演奏というのはかなり珍しい。もちろん、私も、全曲版を聴くのは初めて。楽団の桂冠演奏家であるコントラバスの河原泰則さんは、40年以上のキャリアで演奏経験は3回あるそうだ。河原さんはフランクフルトの歌劇場で演奏していたので、むしろ、3回というのは多いほうだという。そのくらい珍しい演目というわけです。

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前半第1曲は、バッハのヴァイオリン協奏曲。

例によって、首席指揮者のライナー・ホーネックさん(ウィーン・フィル/コンサートマスター)の弾き振り。伝統的な弦楽5部のオーケストラとソロという古典派以降の協奏曲のオーソドックスな様式は、むしろ、今どき珍しい。いかにもウィーン風ともいうべき典雅で流麗なバッハでした。

第2曲は、バッハつながりということでメンデルスゾーン10代半ばの作品である「シンフォニア」。10分ほどの弦楽アンサンブルのための短い単一楽章の曲。

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言ってみれば、前半は慣らし運転みたいなもので、あっという間に終わってしまいます。休憩後には、いよいよ、二管編成のフルメンバーがステージに登場してきます。

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最初は、俳優の西村まさ彦さんが登場して、ふたつの人形を左右に手にして、作曲の経緯と曲の概観を語ります。人形のひとつはベートーヴェンで、もうひとつは、サルヴァトーレ・ヴィガーノという舞踏家にして振付師。彼の要請でベートーヴェンは作曲したのだそうです。台本は失われていて、今回の語りは諸資料をもとに物語を再現したものだそうです。

比較的なじみのある「序曲」から始まり、次々と小楽章が演奏されていきます。

聴いてみると、なるほどバレエ音楽なのだなと思わせる流麗な楽想の音楽となっています。どんな風にバレエが踊られて、どんな風に物語を描いたのだろうと思いを馳せていると、やはり、いかにもベートーヴェンらしい構成のしっかりとした交響曲風の管弦楽法が聞こえてきて、しかも、やっぱり、自由主義とヒューマニズムに満ちた英雄物語なんだと納得してしまいます。英雄の苦難が最終的には人間解放と未来への希望へと展開していく音楽。まさにベートーヴェンの音楽です。

取り上げられることの珍しい曲を通じて、ウィーン古典派の中核であるベートーヴェンをあらてめて堪能するという充実したコンサート体験でした。
 
 
 
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紀尾井ホール室内管弦楽団 第117回定期演奏会
<ミュトスとロゴス 未来を見抜く者>
2019年9月28(土) 14:00
東京・四谷 紀尾井ホール
(2階センター 2列13番)

ライナー・ホーネック(指揮)
西村まさ彦(語り)
紀尾井ホール室内管弦楽団
(コンサートマスター:千々岩英一)

J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV1042
メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲第10番ロ短調 MWV N 10

ベートーヴェン:バレエ音楽「プロメテウスの創造物」(全曲・語り付き)Op. 43

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