私の実家の二件隣のお宅で、書道を楽しんでいるオジサンがいる。
すぐ近所の地域交流館では、その方の個展が催されていることもあるのだけれど、
書写を教えている立場からすると 決して達筆とはいえないし、
紙と文字の配置なども多分独学、落款が無いこともあったりと
書道界の常識を逸脱した 独特な作品が並ぶ。
私自身 長い間書道を習ってきて、それなりに楽しみを見つけて続けているものの、
成績が伸び悩んだり 他の人と比較してしまったりして
「もう やめよう」と思った機会は数知れず。
だから、という訳ではないけれど、
自分の教室の生徒には 私の書風(という大層なものはないけれど)を押し付けず、
なるべく個々が持つ雰囲気を大切にしてあげたいと考えている。
ただ学校で行われる作品展で 優秀作品を選ばれる機会があって
その度に残念がる人もいるのだけれど、
そんなにガッカリしなくても良いんじゃないかしら。
近所のオジサンの作品を見ていると、筆を使って自由に楽しく書ければOKじゃない?と
思えることもあったりして。
とはいえ現在の私も、公募展に出品すれば入賞したいし、
競書で賞が取れれば嬉しいしね…
無欲では進歩が無いけれど、成果ばかりにこだわっては気持ちが続かない。
基本ばかり重視していると伸びしろが無いけれど、自由すぎると誰にも認めてもらえない。
色々なバランスが整ってこそ 心底楽しめるのかなー。
ログインしてコメントを確認・投稿する