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2019年08月22日17:47

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第40回草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル(前編)

タマーシュ・ヴァルガのチェロを堪能。

☆オープニング・コンサート/シューベルト:交響曲 第7番「未完成」 ミラン・トルコヴィッチ=群響、タマーシュ・ヴァルガを迎えて
■2019年8月17日(土)  開場15:30/開演16:00
■会場:草津音楽の森国際コンサートホール
■曲目
♪J.S.バッハ:オルガン協奏曲 ト短調 BWV1058
♪F.シューベルト:交響曲 第7番 ロ短調「未完成」D.759
♪E.エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 作品85
♪F.シューベルト:交響曲 第6番 ハ長調 D.589
■出演
C.ブリツィ(Org&Cemb)
T.ヴァルガ(Vc)
M.トルコヴィッチ(指揮)、群馬交響楽団

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☆パノハ弦楽四重奏団とタマーシュ・ヴァルガ/シューベルト:アルペッジョーネ・ソナタ(室内楽伴奏版)
■2019年8月19日(月)開場15:30/開演16:00
■会場:草津音楽の森国際コンサートホール
■曲目
♪F.シューベルト:弦楽四重奏曲 第10番 変ホ長調 作品125の1 D.87
パノハ弦楽四重奏団
♪F.シューベルト:弦楽四重奏曲 第13番 イ短調「ロザムンデ」作品29 D.804
パノハ弦楽四重奏団
♪F.シューベルト:弦楽五重奏のための「序曲」ハ短調 D.8
パノハ弦楽四重奏団、R.バウアーシュタッター(Va)
♪F.シューベルト:アルペッジョーネ・ソナタ イ短調 D.821(室内楽伴奏版)
T.ヴァルガ(Vc)、パノハ弦楽四重奏団、須崎昌枝(Cb)

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夏は、草津温泉で過ごしている。
温泉もあるが、素晴らしい音楽に触れられるのが魅力だ。
今回は、8月17日にオープニング・コンサートを初めて聴いた。
18日に軽井沢へ下って、オルケストル・イグレックの演奏会を聴いた。
http://www.ohgahall.or.jp/concert/details.php?cid=4159
19日に再び草津でパノハ弦楽四重奏団とタマーシュ・ヴァルガの演奏会を聴いた。
20日に自宅に戻り、21日には郡山で新国立劇場オペラ研修所第21期生の演奏会を聴いた。
相当ハードなスケジュールだった。
この日記は草津編の前半のみ。
後日25日に再び草津に戻る予定だ。

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☆オープニング・コンサート/シューベルト:交響曲 第7番「未完成」 ミラン・トルコヴィッチ=群響、タマーシュ・ヴァルガを迎えて
■2019年8月17日(土)  開場15:30/開演16:00
■会場:草津音楽の森国際コンサートホール
フォト フォト
音楽の聴きたい部分が聴ける、大好きなホールだ。
ここで初めてオーケストラを聴けると期待していたが、群響の演奏にはがっかりだった。

群響は、技術的にはプロオケのそれだったと思う。
しかし、第一ヴァイオリンの音色など、どこを切っても金太郎飴だった。
バッハのオルガン協奏曲では、ブリツィの天衣無縫なオルガンに合わせる意志が聞かれない。
シューベルトの交響曲の第6番では、第四楽章でいい旋律が出てくるが、歌い回しが雑で、プロオケとしても二流という印象を受けた。
指揮者のトルコヴィッチが、想像力の乏しい人だったのが大きいと思う。
音楽アカデミーの指揮者は、霧島国際音楽祭のE.Hといい、案外つまらない人が呼ばれている気がする。

そんな中、チェロのタマーシュ・ヴァルガはいい音楽を聴かせてくれた。

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画像はBSのプレミアムシアターで放送された、ウィーン・フィル シェーンブルン夏の夜のコンサートより。
指揮はドゥダメル。ピアノはユジャ・ワン。
背中向きだが、一番前でチェロを弾いているのがタマーシュ・ヴァルガだ。

エルガーのチェロ協奏曲は、ドヴォコンに負けない名曲だと思う。
ブリテンはエルガーが嫌いだったらしいが、エルガーの音楽には勲章を付けて威張っているような所があるから、分かる気がする。
反面、エルガーには、弱気な所や身近な人に優しい所もあって、チェロ協奏曲には後者の面が強く出ている。

タマーシュ・ヴァルガは、世界的オケでトップを弾いている名手だが、オケ人としての奥ゆかしさだろうか、チェロ一本で自立しているチェリストのようには強い自己主張をしない。
しかし、心の奥で感じているロマンが、抑えても溢れてくる感じがあり、胸を打った。
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8月19日の演奏会でも、一番良かったのはタマーシュ・ヴァルガだった。

☆パノハ弦楽四重奏団とタマーシュ・ヴァルガ/シューベルト:アルペッジョーネ・ソナタ(室内楽伴奏版)
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パノハ弦楽四重奏団は、弦楽四重奏の神髄を聴かせてくれる団体と思う。
だが、寄る年波だろうか、リーダーのパノハが、シャツがびしょびしょになるほど汗をかき、気力で演奏している感じがした。
大いに心配になった。
聴衆も高齢者が多いから、他人事ではない。
17日には、草津アカデミーのレジェンドO先生が、ご病気されたか車椅子でいらしていて、少なからずショックだった。
どうかお元気になってほしい。

草津の聴衆は、ピチピチした若さ弾けるアカデミーの学生と、弱っている後期高齢者に二分していて、中間の聴き手が非常に少ない。
これは日本のクラシック界、ひいては日本全体の問題でもある。
草津はホテルの新築が相次ぎ、若い観光客も増えているが、アカデミーの将来は不透明だ。

演奏の感想に話を戻そう。

弦楽四重奏曲第13番「ロザムンデ」は、初めて全曲を聴くので楽しみにしていた。
有名な第二楽章は、5月12日(日)に聴いたクァルテット・アルモニコの演奏が良過ぎたので、流石のパノハの印象も弱まった。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1971654041&owner_id=26363018
全てが過ぎ去っていくという不安を内に秘めた、第三楽章のワルツが一番印象に残った。

弦楽五重奏のための「序曲」では、ヴィオラに加わったバウアーシュタッターの音の素晴らしさが印象的だった。
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しかし、なんといってもヴァルガが編曲したアルペッジョーネ・ソナタが最高だった。
コントラバスで加わった須崎昌枝さんの生き生きとした支えも只者ではなかった。
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シューベルトの曲は、冗長に感じるものもあるが、アルペッジョーネ・ソナタは名曲だと思う。
第四楽章はロンド形式で、印象的な旋律が何度も繰り返し出てくる。
聴くほどに旋律の美しさ、味わいが体に沁み込んでくる。
ヴァルガの控えめな語り口から溢れてくる情感に心満たされた。

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ここから番外編。
草津は高地にあるから、旅の途中で食事が必要な場合もある。
県道35号線沿いに食事処は沢山あるが、今回寄った食堂が気に入った。
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「こいずみ食堂」
群馬県吾妻郡東吾妻町大字小泉639−1
店の構えは地味だが、中は居心地がよい。
3人の奥さんが調理しており、安くて美味しいものを食べさせようという愛に溢れている。
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もつ煮定食。これでワンコイン。
うどんに丸亀のようなコシはないが、ごはんともつ煮の味は素晴らしかった。
次回も是非寄りたい。

続いて草津でのお気に入り紹介。

「ラッキーベーグル」
群馬県吾妻郡草津町大字草津19−15
年々人気も出て、店内のカジュアル感も増している。
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ゆったり寛いでモーニングできる、いいお店だ。

「茶房ぐーてらいぜ」
群馬県吾妻郡草津町大字草津368
湯畑のすぐ近くの最高の場所だが、案外混んでいない。
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パスタやデザートもとても美味しいので、草津では必ず寄っている。

「とんかつの店 とん香」
群馬県吾妻郡草津町大字草津23−90
地元の人もよく利用しているお店。
コンサートの後、直行することが多い。
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薄い衣のトンカツも良いが、特筆すべきはキャベツの千切り。
嬬恋の高原キャベツを使った千切りは、日本一美味しいと言っても過言ではないかと思われる。

上記の店には次回もきっと寄ることだろう。
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