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2022年06月19日23:59

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A Raisin in the Sun

今年の初めに亡くなったシドニー・ポワティエの回顧展を近所のAFIでやってるので、昨日はA Raisin in the Sunを観てきたの。「アメリカ」だったわね。

アタシは心の中ではAspiring Screen Writerなので映画を観ると、「これをリメークしたら」とか「これの『その後は?』」とか考えるのが常なんだけど、この映画に関しては、他の舞台、他の時代に移したらそのエッセンスが無くなってしまう、いかにも「アメリカ、1960年代前後」のお話だった。他にこれほど「アメリカ」のエッセンスを描いた映画があったのか?と考えても思い浮かばない。大体は他の国・文化に移してもお話がつくれるけど、これはいろいろキーとなる場面が「アメリカ」でしかありえない。

そう思ってMost American Filmsでググってみると、出てくるのはトップガンとかインディペンデンスデイとかゴッドファーザーとかジョーズとか、はぇ?ってものばっかり。まぁ軍国主義礼賛、ジンゴスティックな好戦的映画が「アメリカだ」と言えばそうなんだけど、そんなの中国でも北朝鮮でも作れるし、作るでしょ?移民とマフィアの話(ゴッドファーザー)だってジョーズ(怪獣映画)なんてどこの国でもある話。

で、A Raisin in the Sunも差別の話なので「差別はどこの国にもある」からこの映画も他の文化に移してもつくれるのでは?という意見もあるだろうけど、この映画は「強制的に連れられてきた黒人差別」というアメリカの特殊な差別が背景になってるので、イギリスのインド移民差別とかフランスのアラブ差別とかラテンアメリカのネイティブ差別とかとは一緒にできない違いがあって、それがお話のキーだし、重要なセリフのところどころにも出てくる。

しかも、シドニー・ポワティエ(ウォルター)、奥さん(ルース)、お母さん、妹の4人が本当にそれぞれ重要な役なんだけど、妹が学校で出会うナイジェリア人留学生に「私のヘリテージが」とか話して笑われたり、ナイジェリアのドレスを送られてナイジェリアのレコードかけてアフリカのダンスをしたり、とかの「当時ならでは」のエピソードがあるのが面白い。だってさ、この映画を今の舞台でリメークしても「結婚してナイジェリアに来てほしい」なんて言われてら「何言ってんの?ナイジェリアと言えばロマンス詐欺の本場、汚職と貧困でめちゃくちゃな国でしょ?しかもボカハラムのテロリストが女学生誘拐してる国、あなたがアメリカに残りなさいよ」になるだろうし、留学してアメリカに来たナイジェリア人留学生も「どうやってアメリカに滞在するか」ということになるので、もしプロポーズするのなら、「結婚してグリーンカード取りたい」になると思うのよね。

とってもいい映画だったけど、日本では公開されなかったのか?シドニー・ポワティエのWikiエントリーみてもレーズンインザサンとなってるし、日本公開とグーグルに入れてもニューヨークで1961年5月29日に公開された、ってのがトップに出てくるしで、1960年代日本で劇場公開されたかどうかがわからないでいるわ。
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