シンデレラ(2015)おもしろかった。屋根裏部屋で孤独に小動物に話しかけるシンデレラ、奇人変人ではないか、しかし思い出して欲しい、コクトーの美女と野獣だってベルもケモノと会話している、それにいじめっ子の姉がふたりいる、そう、愛と勇気は変人によって示されるのだ。ベルはジャックリヴェットにもジャックドゥミにも、そしてディズニーにすら影響を与え、愛と勇気を悟らせた。シンデレラだってそう。蚊が死んでレラとかツンデレラとかの造語を生み出させたが、それはもう過去のこと。シンデレラはいま新たに、少年少女のために復活している。ビビデバビデブーはこの作品のオリジナルだったんだ、白雪姫と七人の小人のテーマかと思っていた。ティムバートンのダンボが今ひとつチンプンカンプンだったのは、少年少女の為の作品だったからなんだな。そこにブラックなものを求めるのではなく、このシンデレラは身近にいるようなオーディナリーパーソン的なプリンセスと王子のキャストによって、子供たちに身近にあるべき愛と勇気を指し示そうとしているんだ。奇人変人純真を自身の内に垣間見せてくれる。そしてそれは、暖かく光るものなのである。
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