空気人形

『空気人形』
そして父になる観たとき、あの息子将来グレるんちゃうか、ありゃトラウマになるよ、福山よ将来寝るときはヘルメットして寝ろや、バットで夜中に頭スウィングされるぞ、と思ったけれど、この作品を観て、者からヒトへ、物質から感情を持つヒトへなるのが是枝ではないか、と直感と流れで書いたけれど、この『空気人形』、まさにそういった作品である。リービンビンの映像があまりにも澄んでいるからか、都会の取り残され感をあまり感じられなかったが、きっと是枝テクストにはそういった特徴があるのではないか。ぜんぜんからんでこないリンゴ少女の扱われ方が間接的表象になっている。なんかAIや愛のコリーダへのオマージュ的描写が、その引用の仕方が是枝裕和らしくないな、ともなる。主人公にいまひとつ感情移入ができないから、ついていけなかったのかな。彼女は霊的巫女として存在する感じがなにか微かな記憶で『幻の光』の供儀的なストラクチャーとリンクする感じがする。板尾が出てるから観てやらにゃあかんな、と松本人志が劇場に赴き、高橋昌也を観たから、Ｒ100にキャストされたのかな。高橋昌也よかった。でも是枝さん、ウェルメイド ストーリーテラーである。伏線がどれもきっちりどこかに結び付く。ドキュメンタリー出身な感じがしない。