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2020年07月04日22:56

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座頭市


『座頭市』
人物たちは見つめている。フラッシュバックに志向する。最終盤の鈴木慶一のオルガン乃ミュージックに重なる供儀的なシークエンス群、浅野も姉と弟も座頭市も、その志向対象が埋葬されるかのよう。浅野の真剣が求める対象、姉と弟の過去、しかし座頭市が見るものは明かされない。見るということがこの作品の主題として表されている。埋葬され春が訪れる。黒澤明を継承するかのようなリズミカルであると同時に、浅草や日本の舞いや笑いやタップの芸事が語り継がれるかのようにきっちり表される。ところどころにある笑い、松本人志を好きな人が分かる芸と同じように、ビートたけしの深夜番組を好きな人だけに届けられる笑いかと、かつては思ったけど、でもやっぱり今回もそう思う(私的にどっちも付いていけなかったゆえ。でも、ガダルカナルタカはきっちりたけしの芸を継承してるな、と唸った)。ナチュラルに見せながらもしっかり仕込まれているダウンタウンな笑いと違って、数学好きな北野武らしく、きっちり計算されている壮大な芸事。これを壮大なコントと言ったらはなはだ失礼だろうけれど、故志村けんも相方とした柄本明を迎え入れ、座頭市の志向の先にあるものが彼であること鑑みれば、芸事とはなんなんだろうと深く考えてしまう。


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