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2020年05月31日16:25

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リップヴァンウィンクルの花嫁


『リップヴァンウィンクルの花嫁』
2回目だからか以前観たときほどおもしろさを感じなかったけれど、3時間を長くは感じなかったから、やはりおもしろく観れたのであろう。導かれながら感情が表に出ていくセンスはピクニックやリリーシュシューと同じであり、たぶんイワイのテクストのストラクチャーにはそれが在るのではないかな。イワイの今回のファンタジーは、不思議の国の堕ちてゆく人妻、或いは現実の国のアリス。現実と虚構の曖昧さはシネマ的だけど、綾野剛のウサギから導かれ、日常が嘘の世界とリークされ、どちらがいいかは、主人公が生き生きとしているのが彼女にとってのリアルなのでありエモーションとしていいに決まっている。そこからディゾルーヴするかのように、第二部は、リヴェットの世界のように、お屋敷での虚構へと移り、でもリヴェットのような境界の危うさは出さず、イワイ的に綺麗な世界、そこで彼女は現実的ではない世界でリップヴァンウィンクルの花嫁になる。途中のコッコとのカラオケのシークエンスがよく、その有り得る風景が活かされるから、第二部のファンタジーがファンタジーたりえるのかもしれない。ポイズンめいたのは描かれても、リリーシュシューも含め、悪い奴ではない人物、というか、素直な人物ばかりなのがイワイの登場人物たちの魅力なのかもしれない。ラストがなんだか良い。相変わらずキレイ綺麗に終わるが、白い澄み切ったような部屋のインテリア、そしてラストのベランダが表される。そのアパートでの生活が彼女にとってのそれまでの日常とは違った日常になってるかどうかは分からないが、私的には、カメラが引いていくとき、東京近郊の街並みが表され、アパートや住宅街、そして丘の上にあるマンションといったよくある光景があるのがよかった。なんだか澄みきっている。



式日は脆さや儚さなのではなく、アメリカン的な野性味が藤谷に求められていたのかな、と、それがリップヴァンウィンクルしていたのかな、となる。何度見てもラストは覚えられないが、今度連絡して、と言って走り去ってゆく大竹しのぶの演劇的空間は、なんじゃこりゃ?と今回なった(スクリーンで見たらあの長回し印象が違ったかもしれない。)が、ラストはアンノの狙い通りに藤谷の笑顔を私が受け取れたかどうか分からないが、ラストのコッコの歌は、なんだか救われた感覚によかった。リップヴァンウィンクルの花嫁のコッコもよかった。








さっき観たばかりだけどこれもラストはコッコの歌か、レイニングほど入ってこなかった。黒木華に関心がいってしまっていた。






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