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2019年11月20日21:45

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ヒップスター2或いはher/世界でひとつの彼女

前回書いたの

前に書いたのです。今回再見するとまた違ったセンスになると思う。

◆『her/世界でひとつの彼女』(Her;2013)
  ただの出会いと別れのハナシのようであるが、メランコリーがあるがゆえのライブ感を、スパイクジョーンズはほのかに演出する。
  herというタイトルが表すように、“彼女”は匿名的でありながらも指示対象として確かに存在する。それを通じて主人公は、自身の空洞の秘密を知る。
  統制できない感情としての声がライブ感をもって調えられてくる。セオドアの著作にそのこと表される。秘密はそれに書かれている。
  “ハイる”や憑依は、スパイクジョーンズが常に表すもの。他者への匿名的な憑依、それは誰しもが求めることなのではなく、実際に普段に行っているもの。相手の内側への発見がこゝろをときめかせる。
  本に書かれた他者という存在。ホントは深く存じえぬものであり未知であるけれど、身近にいて、親しみある愛すべき存在が他者である。他者の理解はそこからはじまる。


今回書いたの

『her/世界でひとつの彼女』
以前自分が書いたものを読むと、分かるようで分かりにくいが、もしかしたら前回の方が理解できていたのかもしれない。あのときの自身と今の私はやはり別人だからか。でも基本、脳の構造は同じだから、今回の印象もそこまで違っていないのではないのかな、とはなる。

代筆業のところから始まるけど、スパイクジョーンズはマルコヴィッチにおいても己の精神が他者の身体に潜り込む感じで、アダプテーションも現実がシナリオ作家の頭のなかのイデアのようにフィクション化していく様を表していたけど、精神を相手の身体に侵食させるストラクチャー自体がドラマとして成立させるセンスを感じるけれど、今回は観ながら、やはり日本人から見れば計り知れない精神と身体の二元論から出発した西洋の映画であり、おまけにタイトルherが表すように、まさに存在論までハナシを持っていってる感覚であるが、そんな難しく考えずに、

  喪失感に充ちた社会で、彼女が教えてくれた”永遠の愛”

という感覚の作品に思えばいいのかもしれない。愛は広い意味で、愛=生という感覚である。”許す”や”受け入れる”もキリ教的であるが、離婚した妻に素直に気持ちを吐露できるのは愛を知ったから。

AIは進化をすれば母性すらも超えて、もはや神のような存在になるのかもしれない。

UFOは、うちゅうにこれだけ星があるからエイリアンが乗ってるものだと言う説は当然といえば当然ではあるけれど、でも私はあの焼きそば型物体は未来からの使者じゃないのかなとも思っている。サイエンスの進化は時空間を超えるものへの発展であり、古今東西時空を超え、人類愛を持った我々の曾孫の孫の孫の孫の先の先の人がサインを送っているのでは、とも思う。この作品で「いつか私を探しに来て」というのがあるけれど、永遠の愛がそうしたものへとリンクする、と思ったりもインテリジェンスデザイン的に感じたりもした。

美の巨人たちの小林薫のナレーションなんか聴くと、声での表現は本当に包み込む空間を生むなと思ったりするけれど、スカーレット・ヨハンソンの声は私自身あまり心に届かなかった。でも、多くの人は彼女の声の存在にポジティヴなものを精神/身体に発生させるのかもしれない。

この作品はオスカーで脚本賞を獲ったらしいけれど、スパイクジョーンズはMVでは賑やかに己の表現をやってるし、テレビではジャッカスやってるし、現実社会ではスケボーカルチャーをひろめているし、各々の媒体でおもしろおかしく表現してみせているから、それ自体が彼であり不動の存在なので、カウフマンの呪縛にとらわれているわけはないのだろうけれど、彼自身が書いたものが賞に選ばれたからとっても自信になったのではないかな、とは思う。しかし映画という媒体においてはスパイク、メランコリーなものばかりをつくっているな、と思うのである。



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