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2019年11月17日23:05

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さよならくちびる


『さよならくちびる』
本格派女優として売り出し中のふたりがまるでアイドル女優のように見えるかのような、日常を表しつつも絵空事、というか綺麗ごとのような作品だったけれど、そうした、ある種、MV観がいたって大事な映画作品なのだろう。マクレーンとウィンガー或いはヴェンダースにならえば、愛と葛藤の日々のハコ ツアーというロードムービーに表象されるものがあらわさんとするもの、それは、さいしょ主人公三人の顔ぶれを見て思ったけれどまさかそうではないでしょう、と思ったもの、すなわち三角関係がまさかの本質?とは思ったけど、映像がきれいなのでずっと見ていたけれど、函館に行くあたりの回想での自販機の前、まだ髪が長いころの小松菜奈が門脇麦にすることが、マッサージされる小松のトラックバックショットとリンクされるのか、と、そこから北海道へ渡る海のショットに面白さを感じ、タイトルとするところの意味はそれか、となるも、その後はやはりずっと綺麗ごとが続くも、きっとそれ自体も主題だからいいのだろうとなる。でも、過ぎ去っていくことへの愛着、日本人以外にはもしかしたら分かりにくい無常観が門脇演じる人物のエモーションとして、歌世界とここで表されるロードムーヴィーという形式に表されているのは、海外の人にはわかりにくいとは思うけれど、たぶん作品が表したいことはそれなのかな、となる。最後のリターン、劇場では爆笑だったのか、或いは拍手喝采だったのか、或いはクエスチョンマークだったのか、ともなる。腐れ縁感もないし旅の中で何かを得て何かを超えた感覚もないし、これから持ち得るだろう目的感も感じられなかったから、どこへ向かうのだろう感もない。でも、そうしたところは映画内世界が、映像そのものが無常を表すものだしそこで完結するものだから、映像的であるといえば映像的である。でも、10代の時に観たら、ミュージシャンってこうなんだ、と勘違いして憧憬化して心ときめく映画の一本になっていたかもしれない。そうした意味で、また再見したい感覚はある。


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