読書日記「ロスト・シティ・レディオ」ダニエル・アラルコン 作内戦が続く中南米のとある共和国。戦争で行方不明になった多くの人々。「ロスト・シティ・レディオ」はそんな人々からの捜索願を受け、紹介し、感動の再会までを演出する人気ラジオ番組だ。主人
読書日記「友は野末に」色川武大 作最後の無頼派といわれた著者の九つの短編と対談集。思い出話や昔話だが、こんなこと小説にならないだろうといった、なんてないことをうまく料理して読ませてしまう。すごく面白いわけではないが通俗小説の風味のようなもの
読書日記「一九八四年」ジョージ・オーウェル 作全体主義的未来の悪夢をきわめて正確に描いた傑作。私生活のすべてを党に管理・支配され、表面上の服従はおろか内心の自由まで徹底的に剥奪される洗脳プログラム。これがディストピアのお伽噺ではなく、今現在
読書日記「夢のなかの夢」タブッキ 作ラブレー、スティーブンソン、チェーホフ、ドビュッシーなど偉大なる天才達は夜こんな夢を見ていたかも…。という設定で書かれた連作掌編集。シュルレアリスムではなく夢日記とも違う。誰それは夢を見たで始まり、目が覚