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2020年03月02日20:42

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「トキワ荘の時代」

<strong>読書日記
「トキワ荘の時代」
梶井純</strong> 著
(ちくま文庫)

少年漫画を革新した伝説のトキワ荘グループ。そのリーダー的存在でありながらひっそりと姿を消した寺田ヒロオに焦点を当てた評伝。1993年刊を文庫化。

評伝の舞台となった1960年代、少年漫画隆盛期にちょうど私も幼いながら彼らの作品に親しんでいる。手塚を筆頭に石森・藤子・赤塚らの作品に興奮する中で、たしかに寺田ヒロオの作品はどちらかというとおとなしい、学年誌向きの表現だった。まだ劇画の時代ではないが、激しい戦闘やブラックなギャグが横溢する新進少年漫画と比べると寺田の資質の違いは歴然である。可愛らしくほのぼのとした絵柄にテラさんの人柄が偲ばれるというものだ。自分はスポーツ漫画に興味がなかったので「スポーツマン金太郎」や「暗闇五段」などをちゃんと読んだ記憶はないが、友人たちの間では話題になっていた。

漫画史にさほど関心がないので、トキワ荘グループの活躍を評価するも神格化するほど思い入れはない。いくら当時の少年漫画が面白かったと言っても、今となっては資料的な意味では重要だが、大人が読んで不朽の名作であるとは思わない。辰巳ヨシヒロらの「劇画工房」の流れも同じである。
本書に登場するつげ義春や棚下照生ら厳しい境遇に置かれた者と、トキワ荘グループとの資質の違いが興味深い。やはり背負っているものの多い少ないが作品の明るさに影響するのだろうか。

文庫解説で吉備氏が掲げている「少年サンデー1963年11月3日号」は持っていた。掲載されていた白土三平の読切「スガルの死」が怖くて怖くて、母親に切り取ってもらった記憶がある。
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