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2020年01月11日20:45

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「富士日記を読む」

<strong>読書日記
「富士日記を読む」</strong>
中央公論新社 編
(中公文庫)

武田百合子「富士日記」に関する感想・書評・帯文・解説などと、百合子・泰淳のエッセイを集めて構成した一冊。小川洋子、川上未映子、島尾敏雄ら作家や担当編集だった安原顯、村松友視の文章も。百合子・泰淳の山荘での写真が多数掲載されているので購入。

小川洋子の富士日記に寄せる文「宇宙のはじまりの渦を覘く」が秀逸で、これにつきるのではないだろうか。以下抜粋。
「普通、装飾をはぎ取り、物事の本質を見通そうとする時、抽象的なものに集約されがちだ。例えば、友情や人生や無常といった、誤魔化しのきく便利な言葉に。けれど百合子さんはそんな言葉に頼ったりしない。友情よりも、紫色の牛肉の方がずっと魅惑的だと、『富士日記』を読めば誰にでもすぐ分かる。」
「百合子さんの綴る言葉たちは、背負っている辞書の意味を一旦下ろし、日記の中でのびやかに振る舞う。意味を与えられる以前の、原始の姿を取り戻しているかのように思える。それらは頭で組み立てる意味よりももっと大事な、本当なら言葉にできないはずの響きをまとっている。」
「『富士日記』を読むことは、平凡な日常生活の中にともる光に導かれ、思いがけないはるかな旅をするのに等しい。自分の生きている世界はこんなにも豊かに奥深いのかと、今初めて知ったかのような驚きに心打たれる。」

ちなみにわたしは『富士日記』文庫本上巻の前半を読んだだけで、あとはいつでも読めるからと後回しにして「犬が星見た」「日日雑記」など他のエッセイを読んだきりという体たらくであります。
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