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2019年12月11日21:07

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「異説ガルガンチュア物語」

<strong>読書日記
「異説ガルガンチュア物語」
フランソワ・ラブレー</strong> 原作
<strong>谷口江里也</strong> 作
<strong>ギュスターヴ・ドレ</strong> 絵
(未知谷)

15世紀の作家ラブレーが描いた楽園王国の王子大巨人ガルガンチュアの風刺と諧謔に満ちた物語。のちに19世紀の画家ドレが258点もの挿画をつけて絵物語として出版。そして現代、ドレの絵をもとに谷口江里也氏が物語を再構成したものが本書である。

なんと言ってもドレの描いた緻密且つ雄大な版画作品がすべてのページに掲載され圧倒的に豪華な本の出来栄えである。本来ラブレーの原作は風刺に満ちたもので糞尿譚などやりたいほうだいだったそうだが、ドレの趣味はもっと美麗でロマンあふれるもので、諧謔味は緩和されている。それでも人物に寄った絵ではドーミエのような風刺画タッチのものもあり、こちらのほうが個人的には好みだ。

お話の方もドレの趣味に沿ったのか上品で真面目な仕上がりとなっており、そこはもう少し笑いの要素が欲しかった気がする。最終章でこれからの平和な世の中を作るためにガルガンチュアが考えた結論など、大いに真面目で青少年のためにもぴったりだ。もとより子供から大人まで楽しめる文体と内容で、ドレの絵を味わいながら戦争の愚かさについてあらためて思い知るのもよいと思う。
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