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2019年12月02日21:21

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「ジュリアス・シーザー」

<strong>読書日記
「ジュリアス・シーザー」
シェイクスピア</strong> 作
(新潮文庫)

いつもどおり登場人物はやたら多いが、しっかり無駄なく作り込まれた印象がある。短い作品ということもあってか脱線もなく、よく知られた歴史的事実通りに順を追って進む。セリフはやや堅苦しい真面目さがあるものの、文庫解説にもあるように、個々の人物が歴史の進行役だけではなく人間個人としてみずみずしく立ちあがってくる。

物語の要はシーザー暗殺の後、ブルータスへの聴衆の支持を、演壇で敵役アントーニスがいかに翻すかである。ブルータスの誠心あふれる演説に心酔した民衆を、ブルータスを持ち上げながら一気に殺されたシーザーへの同情へ、ブルータスへの憎悪へと引きずり込んで行くアントーニスの話術。その手腕があればこそこの劇作は成立するというもので、そこが読みどころだった。

手のひらを返した民衆が、ブルータス憎しのあまり、徒党のメンバーと名前が同じというだけで別人をもかまわず殺してしまうくだりなど、いつの時代も変わらぬ興奮した大衆のおそろしさ。
決戦を前にした陣地内でのブルータスとキャシアスとの感情的な言い争いも、たんなる歴史読み物ではなく多面的に人間を描いていてよかった。
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