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2019年01月16日12:41

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「オイディプス王」

読書日記
「オイディプス王」
ソポクレス
 作

有名な父親殺しのオハナシ。
ギリシャ悲劇の基本形として、一度に舞台に上がる人数は制限されており、別に合唱隊が控えていて芝居と合唱が交互に繰り返されて進行する。これがメリハリがあって楽しい。怪物スフィンクスの謎やアポロンの予言など、物語の成り立ちは神話的だが、演じられる内容はいたって現実的で、壮麗な芝居口調でもなく古雅なところもなく親しみやすい。

オイディプス王の父親殺しと出生の秘密・近親相姦などがしだいに明らかになっていくところが興奮をそそる。われわれは既にその秘密を知った上で楽しんでいるが、当時ギリシャで芝居を見ていた人はまったく予想外の展開に驚いたのか、それとも観ているうちにうすうす気付いていたのか。話の内容自体がほぼ伏線みたいなものなので気付きそうとは思うが…。

オイディプスは善人だが感情的で、あまり思慮深いほうではないようだ。それが話をダイナミックにしているように思った。やはりフィクションは感情で進む。
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