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日記一覧

「アカシアは花咲く」
2020年08月05日21:17

読書日記「アカシアは花咲く」デボラ・フォーゲル 作(松籟社)モンタージュの手法で書かれた独自のイディッシュ文学。ポストシュルレアリスムの実践。きらめくモダニズムの世界。日本翻訳大賞作品。小説といえばそうだが、詩魂なき私としてもとりあえず散文

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「三四郎」
2020年08月03日20:53

読書日記「三四郎」夏目漱石 作(新潮文庫)前期三部作の一つめ。主人公三四郎は受け身な性格とはいえ、あまりにもぼんやりしている印象だ。地方から出てきて始めて東京の文物・風俗に出会い、大いに驚いた旨は書かれているが、そこから能動的に考えてみるこ

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「連邦区マドリード」
2020年07月24日21:04

読書日記「連邦区マドリード」J.J.アルマス・マルセロ作(水声社)ポロックを真似る画家「私」のまわりに徘徊する夢破れた人々。一流の映画監督を目指して挫折する男。人々の運命を操る伝説の大佐。うねるように繰り返すマドリードの悪夢。主人公の「私」をは

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「水車小屋攻撃」
2020年07月13日21:09

読書日記「水車小屋攻撃」エミール・ゾラ 作(岩波文庫)短編作家としても屈指の面白さを持つゾラ。変幻自在の自由な作風の中から選りすぐりの8編を収録。光文社古典新訳文庫でも読んだが、ゾラはなにが面白いか知っている作家。飽きさせない。人間模様を描

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読書日記「消えた心臓/マグヌス伯爵」M.R. ジェイムズ 作(光文社古典新訳文庫)イギリス怪奇小説の本流を行く古典短編集。「物語そのものは、さして価値のあるものではない」と作者のジェイムズ自身が紹介しているが、もちろん気軽に楽しんで読むもので、

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読書日記「差別はいけない」とみんないうけれど。綿野恵太 著平凡社しばしば鬱陶しがられる「ポリティカル・コレクトネス」。ここを糸口に差別の構造をアイデンティティとシチズンシップの対立から考察。現代社会の見取り図的好著。どちらかといえばアイデン

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「ろまん燈籠」
2020年06月30日21:30

読書日記「ろまん燈籠」太宰治 作(新潮文庫)1941〜44年にかけて書かれた短編作品を収録。平和に暮らす作家の身辺にもしだいに戦時下の緊張が高まる中、いよいよ筆が冴えてくる。私小説の伝統がある日本文学では、エッセイのごとく身の回りのことを書いてそ

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「ダイヤモンド広場」
2020年06月26日20:51

読書日記「ダイヤモンド広場」マルセー・ルドゥレダ 作(岩波文庫)バルセロナに暮らす一人の平凡な女性の半生。結婚し子供を産み、夫が飼い始めた大量の鳩を育て、お屋敷に出かけては家政婦として働く。やがて内戦となり夫は戦場へ。戦後の新しい人生を迷い

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読書日記「資本主義に出口はあるか」荒谷大輔 著(講談社現代新書)社会の構造を「ロックvsルソー」の切り口で捉え直し、その歴史的変遷を明らかにする。はたして現代社会のあとにどんな社会を作ればいいのか?かつて先頭を切って発達した名誉革命後のイギリ

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「郵便局と蛇」
2020年06月16日21:09

読書日記「郵便局と蛇」A・E・コッパード 作(ちくま文庫)寓話・ファンタジーから怪奇編まで、独特の味わいを持つ幻想短編集。文庫本巻末の小伝によると、作者コッパードは仕立屋職人の家に生まれ、様々な職業を転々としながら成長するにしたがって小説を書

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読書日記「深夜の酒宴/美しい女」椎名麟三 作(講談社文芸文庫)「美しい女」:電車の車掌であり運転士でもある男。彼の人生には次々と常軌を逸した狂気に近い女性が現れる。しかし男は常に心の奥底に理想とする「美しい女」の幻想を抱き続け、けして凡人の

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読書日記「もうダメかも」死ぬ確率の統計学マイケル・ブラストランド、デイヴィッド・シュピーゲルハルター 著(みすず書房)長き人生に巻き起こる様々なリスクは、果たして統計学的に見るとどれくらいの死ぬ確率になるのか?出産・乳児期から老後のお金まで

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「ヘンテコノミクス」
2020年06月05日20:41

読書日記「ヘンテコノミクス」佐藤雅彦・菅俊一・高橋秀明 作(マガジンハウス)人は必ずしも経済合理主義的に行動するものではない。身近な暮らしの中の消費を題材に、行動経済学の面白さを愉快な漫画で解説。2017年初刊。学習漫画といえばなんとなく粗製乱

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読書日記「白土三平伝」カムイ伝の真実毛利甚八 著(小学館文庫)漫画・劇画史に巨大な足跡を残しながら、その人物が謎につつまれた白土三平。プロレタリア画家のもとに生まれた少年時代から、房総の海で自然と共に生きる老境までをトータルに追う。プロレタ

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読書日記「チョンキンマンションのボスは知っている」小川さやか 著(春秋社)遥かアフリカから単身香港へ渡航して稼ぐタンザニアブローカー達。その融通無碍なコミュニティと独特な経済システムを追いかけた人類学的ルポ。香港のチョンキンマンションは店舗

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「永遠の歴史」
2020年05月19日20:59

読書日記「永遠の歴史」J.L.ボルヘス 著(ちくま学芸文庫)永遠とは?また時間の循環とは?隠喩とは?「千夜一夜物語」はどのように訳されて来たか?小説作品と相通じるボルヘス珠玉のエッセイ集。今さら自分が言うことでもないが、ボルヘスのあまりの博覧強

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「ソヴィエト旅行記」
2020年05月15日20:22

読書日記「ソヴィエト旅行記」ジッド 著(光文社古典新訳文庫)共産主義の夢と理想を求めてソヴィエトを訪れた作家ジッド。だが彼が目の当たりにしたのは、既にスターリンの独裁体制となり果てた悲惨な国家の姿だった。「ソヴィエト旅行記」と、その批判に対

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「夫婦の一日」
2020年05月13日20:43

読書日記「夫婦の一日」遠藤周作 作(新潮文庫)50代後半から60代。人生の円熟期を迎えてなお、自身の利己的な欲望を見つめるクリスチャンとしての日々を描いた短編集。これらの短編が書かれたのは1980〜83年。「六十歳の男」:60歳を迎えた自分がいかにも死

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「戦後史入門」
2020年05月11日20:54

読書日記「戦後史入門」成田龍一 著(河出文庫)信頼できる歴史家成田龍一による青少年を対象にした戦後史ガイド。単なるガイドというより歴史を学ぶとはどういうことか、その基礎から解説。長い長い戦後史のトピックを順番に追っていったところで、若い読者

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