香芝紀行６　二上山博物館

　１日日曜日は、1030時頃に「ふたかみ文化センター」一階に入っている二上山(ﾆｼﾞｮｳｻﾝﾊｸﾌﾞﾂｶﾝ)を訪れました。
　https://www.google.co.jp/maps/@34.5422493,135.6991657,18z

　ここを訪れるのは三回目です。前回、10年前に訪れた時は心筋梗塞が進展している事に気付かないまま、ヨレヨレの状態で行っていました。
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　新生代第三紀中新世に当たる今から1500万年前頃から、現在の二上山地域では活発な火山活動が繰り広げられ、約1000万年前頃に終息しました。二上山と周辺の地質は、溶岩や火砕流(ｶｻｲﾘｭｳ)堆積物等で形成され、火山としての様相を呈していますが、噴火した当時の姿を留めている訳では無く、火山活動終息後の地殻変動や風化・浸食によって削られて特徴ある二つの峯を持つ山になったと考えられています。

　二上山噴火当時の地図です。

　約30万年前の新生代第四紀更新世に於けるアンチクウス象狩猟のジオラマです。象が動きます・

　更新世末期、即ち後期旧石器時代の打製石器です。

　後期旧石器時代の鶴峯荘遺跡です。鶴峯荘第１地点遺跡出土品〔香芝市指定文化財〕は当館に収蔵されています。うち、126点は奈良県指定文化財です。

　鶴峯荘は石器材料となるサヌカイトの採掘場でした。

　サヌカイトです。

　縄文時代の磨製石器です。

　５世紀の帆立台型前方円墳である下田東一号墳出土品です。

　多くの形象埴輪(ｹｲｼｮｳﾊﾆﾜ)が出土しています。

　伝今泉出土銀装大刀〔香芝市指定文化財〕。７世紀中頃の作で、は鞘口金具の下端に刀を佩用するための帯執金具である鐶(ｶﾝ)付足金物を有しており、奈良盆地に現存する飛鳥時代の大刀としては、鐶付足金物の原形を知る事が出来る唯一の例です。

　明和年間(1764〜71)に馬場村西方の山中で出土した威奈大村骨蔵器(ｲﾅｵｵﾑﾗｺﾂｿﾞｳｷ)〔国宝〕の複製です。威奈大村(662〜707)は人皇第28代宣化天皇〔位；536〜539〕の子孫で、歌人として有名な額田王(ﾇｶﾀﾉｵｵｷﾐ)の弟に当たります。少納言・左少弁・越後守等を歴任し、最終位階は正五位下でした。藤原京時代は大和盆地の東西両端に当たる墨坂と二上山麓が官人墓地になっていたと推定されています。実物は京都国立博物館に保管されています。

　７世紀後半に建立(ｺﾝﾘｭｳ)された尼寺(ﾆﾝｼﾞ)廃寺跡〔史跡〕です。ここは、この日の最後に訪れました。尼寺廃寺塔跡心礎出土品〔奈良県指定文化財〕は当館に収蔵されています。

　高山火葬墓木櫃(ﾓｸﾋﾂ)底部と出土品〔香芝市指定文化財〕です。８世紀中頃の物です。

　鹿嶋神社結鎮座文書(ｶｼﾏｼﾞﾝｼﾞｬｹｲﾁﾝｻﾞﾓﾝｼﾞｮ)〔奈良県指定文化財〕です。12〜15世紀の46点の文書から成ります。

　江戸時代に於ける金剛砂(ｺﾝｺﾞｳｼｬ)採掘風景です。

　今回は展示されていませんでしたが、二上山博物館には外にも多くの文化財が収蔵されています。
　二上層群原川累層(香芝累層)産出植物化石〔香芝市指定天然記念物〕です。約1400万年前の新生代第三紀中新世中期の物で、60個体69点から成ります。

　平野２号墳棺台〔香芝市指定文化財〕です。平野２号墳は、7世紀中頃築造の円墳で、
直径は26ｍ、高さは6.5ｍ前後で、主体部は南西に開口する横穴式石室です。棺の受台は、木棺等の有機質の棺を保護・収納するための外容器ですが、土製の棺台は全国でも同じ二上山麓の塚廻古墳(大阪府南河内郡河南町)出土の緑釉陶棺と本例の２例しかなく、終末期古墳の埋葬施設を研究する上で貴重な資料となっています。

　五位堂鋳物師(ｲﾓｼﾞ)関係資料小原家文書〔香芝市指定有形民俗文化財〕です。小原家から寄託されている物で、享保15(1730)年から天保15(1844)年までの間に発給された鋳物師職許状６通と元文２(1737)年の口宣案１通、享保21(1736)年の蔵人所牒写１通から成ります。

　五位堂鋳物師関係資料杉田家鋳造用具・製品〔香芝市指定有形民俗文化財〕です。明治から昭和時代の112点から成ります。

　板地額装着色四季耕作図絵馬(ｲﾀﾁﾞﾁｬｸｼｮｸｼｷｺｳｻｸｽﾞｴﾏ)〔香芝市指定有形民俗文化財〕です。明治時代中期の作で、五ヶ所の厳島神社から寄託されています。

　博物館が出している『香芝　悠久の歴史』も購入しました。

《続く》