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2019年10月16日13:51

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遅い秋の訪れと読書

 十月になってもセミの声がしていた。この日記でも三日にアブラゼミが鳴いていたと書いていて、これが聞き納めとしているけれど、実は六日にも三ッ沢公園でアブラゼミが、九日にも釜利谷の雑木林でミンミンゼミの声を聞いている。気温も、台風が通り過ぎた翌日、十四日までは半袖でいられるほどだった。昨日から、さすがに半袖では肌寒く感じられるようになり、衣替えも一気に進む。

 残暑が長引いたことは、草花にも影響を与えている。ヒガンバナは文字通り、九月下旬のお彼岸あたりに咲くことからその名がついたと思われるけれど、例年だとそれよりもやや早くに見ごろを迎えていた。ところが今年はお彼岸が過ぎても花が咲いているのを見た。そして同じくらいに咲いているはずのキンモクセイは、もっと遅れて今ごろになって少し香りがするようになっている。例年に比べると半月以上遅い。

 秋にやってくる台風は、南の湿った空気とともにやってくるけれど、足早に過ぎ去ると北から乾いた空気が流れ込んでくる。季節を一気に進めるのも秋台風の特徴だ。東北から関東甲信、東海地方の広い範囲に深い爪痕を残した台風だけれども、暑さに慣れた身体には肌寒さすら感じるほど、空気がすっかり入れ替わった。


 読書は、新書が続いたのでミステリを数冊読んだ。先が気になるのでつい一日で読み終えてしまう。喜多喜久『プリンセス刑事 生前退位と姫の恋』(文春文庫、2019年)は、「科学探偵Mr.キュリー」シリーズに続く続編もの。舞台は日本なのだけれど、女王が代々国を統べていて、北海道が別に独立国家になっているなど、設定が少し異なる。これが二作目で、どうやらさらなる続編も期待できそうだ。
 岡崎琢磨『病弱探偵』(講談社文庫、2019年)は、「珈琲店タレーランの事件簿」シリーズの著者が書いている。描写の仕方に著者独特のクセがあって、それも味わいのひとつと感じた。
 そして知念実希人『誘拐遊戯』(実業之日本社文庫、2019年)。「天久鷹央」シリーズにとどまらず、本当にコンスタントに作品を刊行している。ラストの展開が二転三転するのも特徴で、本作も例外ではなかった。

 夏から秋にかけては、単行本、文庫ともに話題作や良作が店頭に並ぶ。今年も読書の秋に相応しい実りが得られそうだ。
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